空想【はみぱん】小説(o^-')b

ファンタジー(?)小説をゆっくりまったりアップして行く予定です(;^_^A

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はみぱんTwo ~006~

「きゃうんっ!?…はっ…はっ…はうっ…何でラムを追いかけてくるのぉ?」

 場面は変わり、ここはディジェネ側の街中にある路地裏…建物の隙間にしゃがみ込んだ《ラム=バリオン》が息を切らしながら呟く。

「あははっ♪見ぃ~つけたっ!…さぁワンちゃん、大人しくアタシの練習台になるんでキュー!」

 頭上からふいに響いた笑い声に、ラムは咄嗟に上を見上げる。
 そこには、この季節…真夏にはあまりにも不似合いな、真黒なマントにシルクハットをかぶった、10歳を少し過ぎたくらいの女の子が建物の屋上からこちらを覗き込んでいた。

「ヒト違いだよ!…ラム、ナボナは好きだけど『世界のホームラン王』じゃないもん!」

「っ誰もあなたを見て往年のスラッガーだなんて思わないでキュっ!…そんなコトより、そこを動かないでじっとしてるんでキュよ?」

 黒衣の少女は、そう言うとひらりと体を宙に投げ出し、トントンっと両側のビルの壁を蹴りながら藤色のカールがかった長い髪をたなびかせて急降下してくる。

「きゃうっ!…まだ来るのぉ!?早くおうちに帰りたいのにぃ!」

 ラムは慌てて路地へ飛び出し、黄昏時…いや、逢魔ヶ時の街を必死で逃げ回る。
 薄暗くなった街並みの、更に影を縫うようにラムを追いかける黒衣の少女…まわりにはそこそこの人影があったが、ラムに気付く人間はいても、彼女に気付く者はいないようだった。

「きゃ?かわい~♪あれ、チャウチャウちゃう?」

「ちゃうちゃう!チャウチャウちゃうよぉ?」

「ちゃうって!あれ、絶対チャウチャウやわ。だってチャウチャウって茶っこい色しとるやろ?」

 関西弁の二人組が必死で逃げ回っているラムを指差してあれやこれや話している。
 ラムはすれ違いざまに二人組に声をかける。

「アタシ、チャウチャウじゃないから!ゴールデンレトリバー…ううん、エルフだもんっ!

 ドップラー効果に乗せたラムのセリフが、彼女達に最後まで聞こえたかどうか…しかしそんな余計なセリフを口にしたせいか、黒衣の少女が一層ラムに迫る!

「あははっ♪もう追いつくでキュっ」

 逃げまどうラムの数m手前で大きく地面を蹴った黒衣の少女。
その直後、ラムとの距離はぐんと縮まり、にやりと笑う少女の八重歯がキラリと光った。

「うきゃんっ!?」

 ラムに追いついた黒衣の少女は、彼女の首筋に勢いよく八重歯を立てる。

「痛ったぁ~~~い!ジン~、ベルぅぅ~~~!!」

 夕闇せまる街に、ラムの叫び声が木霊した。

「ラムっ!?…どこにいるのっ!?」

 どこからか聞きなれた声がラムを呼ぶ…

「その声は…シェリー!?きゅう~~ん、シェリー!助けてぇ~」

 その間にも黒衣の少女はラムの首筋に噛み付いたまま、あふれて来る血を啜っている。

「何をしてるのっ!?ラムを離せっ!!」

 別の路地から素早く現れた細身の影…シェリーであった。
 八重歯をラムから離し、振り向いた黒衣の少女がシェリーに気付くと残念そうに呟く。

「ちぇっ…なんだ、飼い主さんがいたんでキュか…なら一時退散でキュ」

 そう言うと、身軽にひらりとラムから離れる黒衣の少女。

「ちょっとまってよ!…あんた、エボルでしょう!?滞在証明を見せなさい!」

 身を翻し、ビルの陰へ向かい跳躍をしようとしている少女をシェリーが呼び止める。
 【エボル】とはリドルランド側の住人の事を指し、それらが大手を振って双方の世界を行き来するには【滞在証明】が必要なのである。
 もし、それを持っていないということは、密入国者か【異次元戦争時代】のどさくさに紛れて入国したまま滞在手続きをしていない者か…いずれにせよ不法滞在者とみなされ、捕まれば強制送還されてしまうのだ。
 更にディジェネ側へ危険を及ぼす存在であることが認められると【懸賞金】を掛けられて、所謂「お尋ね者」になって警察は勿論、ハンター達にも追われる事になる。

「そんな物、持ってないでキュっ!だけどアタイはお兄ちゃんを見つけるまでは、リドルランドに戻されるワケにはいかないんでキュよっ!」

 じりじりと後ずさりながら、黒衣の少女が言い放つ。

「くぅ~ん。お兄ちゃんと離ればなれになっちゃったの?ラム達探偵屋さんなんだけど、お手伝いしようか?」

 少女の言葉に反応したラムが、彼女の方へ一歩足を踏み出して問いかけた。

「ぇ…ぁ…っ…ううん。そんな言葉に騙されるエリカちゃんじゃないでキュ!それじゃ、バイバイキュゥ~」

「あぁっ!逃げたっ!!…ラム、追いかけるよっ?」

 《エリカ》と名乗った黒衣の少女を追って、シェリーがいち早く駆け出す。

「きゅぅ~ん…けど、あの子…お兄ちゃんを探してるって…」

 ラムのセリフにシェリーは足を止めた。
兄弟姉妹の話題には彼女もまた敏感だからであろう…しかし、大きくかぶりを振り、ラムの肩に手を置くシェリー。

「いい?ラム。あの子はラムを襲ってたんだよ?あのままディジェネに放って帰るわけには行かないでしょ?そうしたら、また別の人を襲うかもしれない…どっちにしろすぐに捕まっちゃう。
 だったら、一度リドルへ帰してあげて、ボク達でお兄さんを探してあげようよ」

 それまで力なく耳を垂らしていたラムだったが、シェリーのセリフを聞き終えると、耳としっぽをぴんと立てて大きく頷いた。
 しっぽを立てた事でスカートがめくれ上がってしまったが、彼女には全く気にする気配はない。

「そうだね!…じゃ、早く追いかけよう!」

 言い終える前にラムは四足歩行モードで脱兎の如く駆け出していた。

←今日のラムは何色でしょう?
(いや、クリックしても答えが分かるわけではありませんが、是非…(;^_^A アセアセ
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テーマ:自作連載ファンタジー小説 - ジャンル:小説・文学

はみぱん | コメント:4 | トラックバック:0 |
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この記事のコメント

上手い誘い文句にのせられて(笑)何度かランキングをポチっとな、と。
いや、色変わる工夫とかしてるのかなぁ、とか思ったり思わなかったり…笑

見てみたら、ランキング、7位じゃないですかっ!!
スゴイスゴイヾ(*≧ω≦)ノ彡☆

小説も更新、頑張ってますね♪
今回は《エリカ》が重要人物なのでしょうか…?

続き、楽しみにしておりますね♪♪

2009-09-05 Sat 10:47 | URL | 鷹の爪痕 [ 編集]
(´;ェ;`)ウゥ・・・ボクにそんな技術はありません><
「ぽち」すると水玉になったりボーダーになったり…あるいはスケス…o(`ε´)=====〇 バキッ!! ☆))XoX)
(>o<;))((;>o<) ゴホゴホ…失礼しました。
なにより、「ぽち」ありがとうございます<(_ _)>

>今回は《エリカ》が重要人物…
(ΦωΦ)ふふふ・・・・ウチの小説の場合、そのキャラが主要かどうかを判別するのは簡単なんです(ヒントはどこかの番外編に書いた記憶が…^^;
2009-09-05 Sat 11:22 | URL | rum_bulion [ 編集]
こんばんは、本日は電車内から携帯で失礼します神田です♪

新キャラのエリカちゃん、何だか言葉遣いがやたら可愛いですね~!今後の活躍に期待大です(^^)ラムも相変わらず可愛いですね!

チャウチャウの部分では笑ってしまいました(^^)ラムさんの小説はいつも笑える部分があって楽しく読めるので素敵です♪
続きもまた読みにきますね!
2009-09-12 Sat 21:53 | URL | 神田夏美 [ 編集]
電車内で…携帯から…な、なんてモバイルな(*/∇\*)キャ
機械音痴の私には携帯は電話&メールしか扱えません><
しかし、携帯からの閲覧って考えてもみませんでしたが、読み辛かったりするのでしょうか?
なにより、電車内でもお読み頂けてるなんて…涙ものですよッ! (┬┬_┬┬)

これからも神田さんが車内で携帯を見ながら突然吹き出し、顔を真っ赤にして閉まりかけた途中駅のドアから逃げるように飛び出して頂けるような面白い話を書けるよう努力しますo(*^▽^*)oあはっ♪

チャウチャウに関しては「ちょっとベタかな」とも思いましたが、笑って頂けたのなら一安心です^^

お忙しい中の訪問&コメ…ありがとうございます。神田さんも執筆活動頑張って下さいねっ!!(o^-')b
2009-09-12 Sat 22:36 | URL | rum_bulion [ 編集]

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