空想【はみぱん】小説(o^-')b

ファンタジー(?)小説をゆっくりまったりアップして行く予定です(;^_^A

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はみぱんTwo ~030~

一通りのコース料理を平らげ、デザートを待つベル達…そこにネイの姿はなく、ラムが満足そうにお腹をさすっている。

「っぷふぅ~♪やっぱり久々のごちそうはめっちゃ美味いなぁ…これやと、デザートも楽しみやなぁ」

 子供用の、テーブルへ取り付けるタイプの椅子の上に…更にクッションを数枚重ねられた上に座っているベルが呟く。

「そうだね~何故かラムのトコには2枚ずつお皿が来るし…きゅぅ~ん、大満足ぅ♪

 最初はネイが来るはずの空席に皿が用意されていたのだが、オードブルの時点で『もったいない』と涎を垂らして皿を凝視するラムを見かねたベルの気遣いだったのだが、彼女はその事すら忘れているようだった。

「ラム、お前…いや、何でもないわ。それよりエリカ、ちゃんと食べとるか?デザートはまだ食べられそうか?」

「うん…大丈夫でキュ。さっきのお魚も美味しかったし、デザートは【別腹】でキュよ!」

「きゅぅん、そうそう!ベルバラ、バラバラぁ~♪」

 そう言って今にも踊りだしそうなラムを制しながら、ベルが突っ込みを入れる。

「お前には聞いとらんわっ!どうせデザートもネイの分まで食い尽すんやろっ!?…ってか、別腹以前にお前のメイン胃袋の容量が知りたいわっ!」

 テーブルに小さな笑いが起こる…が、突然ラムがピクリと耳を立てると、何やらそわそわし始めた。

「ん?…どうした、ラム?」

 気付いたジンが声をかけるが、彼と視線を合わせることなくラムが答える。

「あ、ううん…何でもないの。えっと…あ、あの…ラムおしっこ!」

「こ~ゆ~席で『おしっこ』言うなや!ま、早よ言ってき!」

 ベルの突っ込みも上の空で、ラムは席を立つ。
 …そうしてキョロキョロと辺りを見回し…廊下の奥にあるホールに何かを見つけるラム。

「きゃうっ!…やっぱりさっき聞えたのは空耳じゃなかった…」

 そう言うラムの視線の先には…大勢のエルフ達が集っている別室があった。
 別室とは言え、入口の大きな扉は開け放たれており、常に複数のギャルソン達が出入りしている…入口をはいってすぐのパーテーションに身を隠しながら、必死に『誰か』を探すラム。

「…っブランシェ!…そっか、もうそんな歳かぁ…」

 そう呟くラムは、懐かしさや愛おしさ…またある種の悲しみにも似た…なんともつかない表情で、一同を見渡せる席に座っている女性を見つめている…そして、その両脇には…

「パパ!ママ!」

 思わず自分で上げた声に、はっと口を塞ぐ…すれ違ったギャルソンが一瞬振り向いたようだが、他の人間には気付かれなかったようである…が…

「おい!ここに不審者が入り込んでいるぞっ!!」

 不意に背後から叫び声がした…その声に会場の全員が一斉に振り向く。
 しまったという表情でパーテーションに身を隠すラム…彼女を見つけて声を上げた男と目が合った。

「きゃうっ!?…ディタ?」

「?…お前、どうして俺の名を…」

 相手の口から出た名前に、怪訝そうな目を向ける細身で尖った耳を持つダークエルフの男性。

「あ…あたし、ラムだよっ!…こんな姿になっちゃったけど、覚えてるでしょ?」

 勿論《ディタ》と呼ばれた男性は、合成獣(キメラ)化してからのラムとは面識はないはずであり、合成獣化の事実はダークエルフ族でもごく一部にしか知れていないはずなのだが、彼は一瞬目を見開いた後…侮蔑の目をしてにやりと笑みを浮かべる。

「あぁん?そういうことか…ラムは魔女《ミスティ》にスープにされて食われたと聞いている!そうですよねぇ、バリオン妃!?」

 ディタは空々しく、会場中に聞えるような大声で同意を求めた。

「ディタ!言葉を選びなさい。だが、我が一族の跡取りは、この《ブランシェ》ただ一人…その披露の儀に、一族の名を騙る不届き者がいるのなら即刻排除なさい!」

 バリオン妃と呼ばれた女性が、大きく手を振り上げながら命令する。

「きゃうっ!?ラムはひと目ブランシェの姿が見たかっただけなの!…すぐに出てくから…ぎゃんっ!?

 ディタの加減のない蹴りがラムの腹に食い込む。
ラムは反動で吹き飛び、パーテーションごと会場内に倒れ込んだ。

「きゃあっ!」

「うわぁっ!」

 騒然とする会場内…通常の人間よりも一回り小さな種族が席を立ち、ラムから離れ彼女を取り巻くように輪が出来る。

「お前は自分の立場を利用し、いつも俺に無理難題を吹っ掛けてはバカにして!やっといなくなったと思ったら、わざわざこんな日に顔を出しやがって…そらっ!」

 ディタはラムの襟首を掴み立ちあがらせると、再び彼女の頬を殴りつける。

(ッガッシャァ~ン!)

 大きな丸テーブルへ吹き飛ぶラム…既に席には誰もいなかったが、残された皿やグラスが割れて弾け飛び、ラムの頬を傷つけた。

「ククっ…おかげで俺は、今じゃ小隊長さ!ほら…まだあの頃の【借り】は返し切ってないぜ!?」

 明らかに彼女を《ラム》だと認識した上で彼女を痛めつけるディタ…二度目の拳が振り上げられた時…


←「やっと更新されたと思ったら…シリアスな展開!?」と、ガックリされた方は、もう数話お待ち下さい(;^_^A アセアセ
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はみぱん | コメント:7 | トラックバック:0 |
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この記事のコメント

はゎっ……ラムがッ……ラムがぁぁぁっ!!
暴力反対だぁぁっ!!

純粋なラムの心が無下にされてしまったようで、
心苦しいですね(´っд;`)
ラムがこれ以上痛い目に合わないことを祈るばかりです!
2009-11-03 Tue 00:06 | URL | 筱 [ 編集]
更新楽しみにしてました☆

大変!ラムが・・!!
可哀そうなことに・・・

ちなみに、私はシリアスな展開も好きですよー☆

このあと、どうなる!どうなるんでしょう!?
2009-11-03 Tue 13:35 | URL | れもん [ 編集]
★筱さん
大切な我が子…出来る事ならこんな事にはしたくなかったのですが…どばーっ (┬┬_┬┬)
第1巻から通して、ギャグメインとは言え所々にはシリアスを差し込もうと思っているのですが(第1巻はシェリーでしたね^^;)、今回はこんな感じになっちゃいました><

★れもんさん
>更新楽しみにしてました☆
どばーっ (┬┬_┬┬) 嬉しすぎるぅ (┬┬_┬┬)どばーっ
一つの小説を仕上げようと思うと、色々な状況に遭遇しますね?
【パンチ速度がいくら早くてももどかしくなるくらい書きたいシーン】【そこへ辿りつくまでの、繋ぎのシーン】【話の展開上、書きたくないが書かなくてはならないシーン】など…今、丁度3番目の状態かもです><
折角私の想像(妄想?)の世界に生まれてくれたキャラ…出来る事なら、ずっと幸せでいてほしいのですが…(´;ェ;`)ウゥ・・・
2009-11-03 Tue 17:58 | URL | rum_bulion [ 編集]
この緊張のシーンでオアズケとはッ!

それにしても実の母子なら「ハレの席ゆえ偽りを申したことは特別に許そう早く立ち去るがいい」とかなってもよさそうだけど、あそうか実はバリオン妃って継母で父君は恐妻家な「シンデレラ」チックなストーリーなのかも、あでも後見役のベルは魔法より財テクな感じだからオリジナルの「灰かぶり」の方が合ってるかしらん・・・

と、妄想が暴走しそうなので、早く続きをお願いします m(_ _)m
2009-11-03 Tue 21:34 | URL | 7C林檎 [ 編集]
いえいえ、継母ではありません^^;
リアルでもいませんか?【何よりも自分の地位を重んじる人間】って…
【自分の立場を守るためにミスを部下になすりつける上司】や、もっと身近な表現をすると【街中で泥酔した友達に声をかけられたが、思わず他人のふりをしてしまう】…だんだん例えがずれて行ってますね^^;
いずれにせよ、母はバリオン家の体裁を保つために【ラム】を切り捨ててしまったようです><

ただ、彼女の言動はそれ以外にも【そう言わなければいけなかった理由】もあるのですが、そこについてはあまり詳細な表現はしておらず、気付かれる方がいるかどうか…(当該部分はこの後、ちらっと出てくる予定です^^;

しかし、ななちゃのコメにはドキッとさせられました^^;
ちょっとこの辺りの設定…安易すぎたのかしら(;^_^A アセアセ

>早く続きを…
頑張ってはいるのですが…( ┰_┰) シクシク
2009-11-03 Tue 22:52 | URL | rum_bulion [ 編集]
いやああああ!ラムがっ……ラムがかわいそうなことに!

冒頭の部分では、いつも通りくいしんぼうなラムと、ベルのツッコミにほのぼのと和んでいたのですが、最後のラムがああああ……!

何だかシリアスな展開でドキドキします><
続きが気になるので近いうちにまた読みに参りますね!
2009-11-12 Thu 15:18 | URL | 神田夏美 [ 編集]
(´;ェ;`)ウゥ・・・ラムがあんなコトにっ!?

ほのぼのとベルとやりとりしていた時には、まさかこんなコトになるとは…思いもよらなかったコトでしょう><

今回のお話の核のひとつである、ラムのお話…はてさて、上手く表現できているでしょうか^^;

>続きが気になるので近いうちにまた読みに…
ありがたいお言葉を…どばーっ (┬┬_┬┬)
焦らずじっくりまったり…カクテルを飲むように雰囲気と一緒に味わって頂けたら幸いです(///∇//)テレテレ
2009-11-12 Thu 19:47 | URL | rum_bulion [ 編集]

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