空想【はみぱん】小説(o^-')b

ファンタジー(?)小説をゆっくりまったりアップして行く予定です(;^_^A

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はみぱんTwo ~021~

「え…と、エリカ言うたな?…え~と…ウチの聞き間違いやと思うんやけど…今《ミスティ》言うたんか?
 ウチもちょっと前にディジェネの…確か【静岡】言うトコで《ミス・ティー》ってお茶を販売するキャンペンガールを見たんやけど…それとちゃうんか?」

(ばしぃっ!)

「そ、そんなワケないじゃろやんけぇ~!…うふ♪

 どこからかハリセンを取り出したメアリーが、野球のアッパースイングのような格好でベルを撃ち抜く…その体格差ゆえ、ベルは吹き飛ばされて天井に突き刺さった。

「たまには私が突っ込んでみようかと…いわゆる【攻守交替】ですねっ♪」

「なぁにが攻守交替やぁっ!?こっちは【生身の妖精】なんじゃい!…ちったぁ体格差を考えた突っ込みを入れんかいぃ!」

 天井に突き刺さった頭をずぼっと抜き、顔中傷だらけのベルが怒鳴る。

「ショートコントはおいといて、ねえエリカちゃん?…どうして《ミスティ》が絡んでいるって分かったの?彼女はとっても危険な【魔女】なのよ?…迂闊に近寄ったりしたら、それこそどうなるか…」

 ネイがエリカの前に屈みこんで、優しい口調で問いかける。

「おばちゃん、吸血鬼のステルス能力を知らないんでキュか?アタシ達、吸血鬼が闇に紛れたら…誰にも見つける事は不可能でキュ!
 あの時だって、ミスティが何かお兄ちゃんに入れ知恵してるのを窓の外から覗いてたけど、気付かれなかったんでキュよ!?」

「お…おばちゃ…」

 エリカの『おばちゃん』発言にショックを受け、茫然と立ち尽くすネイ…頭の中では『おばちゃん』が木霊している。
 しかし、確かに魔法や道具を一切使わずに【暗闇で平然と活動できる知的種族】は、【吸血鬼族】と【キトゥニッシュ族】くらいのものであろう…相当訓練を積んだ【忍者】や【くノ一】でも、この2種属には到底及ばない。
 【吸血鬼族】については説明不要かと思われるが、【キトゥニッシュ族】とは猫科に属する亜人間(デミヒューマン)で、その【暗視能力】や【身軽さ】に特筆すべき点がある。
また、吸血鬼は誰かに従う事はほぼないが、キトゥニッシュ族は吸血鬼程自尊心が高い種族ではないため【スパイ】や【暗殺者】として雇われる事も多いと聞く。

「う~ん…ミスティが絡んでるってのは、間違いやないやろな?…よしゃ、エリカ!今回の依頼…タダで請け負ったる!」

えぇっ!?さっきまでは『依頼料が払えなきゃダメ』って言ってたじゃないでキュか!」

 エリカが信じられないと言った表情でベルに詰め寄った。

「そそ…そんなに顔を近づけんなや。《ミスティ》が絡んでるなら、話は別なんや。
 エリカを連れて来た、ラムやけどな?…さっきも言うたが、ホンマは【ダークエルフ】なんやけど、到底そうは見えへんやろ?
 ラムはミスティにあんな姿にされて、家族からも見放されてもうたんや…だからウチらはミスティを探し出して、ラムを元の姿に戻してやりたいって、ずっと思っとんのや…」

 あまり他人には話したくはない事なのであろう…ベルは目を伏せながら、そっと囁くようにエリカへ話しかける。

「…そうなんでキュか…どうりでワンちゃんにしてはお話が上手だと…あ、ごめんでキュ『ラムちゃん』だったでキュね?」

 そう言ってエリカがラムのいる方を見やると、ラムは長話に疲れたのか足拭きマットの上で丸まっている。

「ん?…お話…終わったの?」

(ぐきゅるるるぅぅ~~~)

 自分が話題にされている事に気付いたラムが顔を上げて振り向いた途端、彼女のお腹から大きな音が鳴り響いた。

「きゅぅん…ラム、もう限界を通り越しちゃったみたい。ごちそう食べに行きたかったけど…もう動けないぃ…ベル、ごちそうさん達に会ったら伝えておいて…『ひと目、会いたかった』と…

 力ない言葉を言い終えると同時に、再び顔をマットの上に横たえ、静かに目を閉じるラム。

「すまんすまん!そんな芝居はせんでも…ラム、やっとごちそうにありつけるで!?…ほな、エリカも付いてき。シェリーの分が余っとるさかいな…あ、そや!増田教授もおるんやったな…どないしょ…」

 すぐさま出かけるつもりで立ち上がったベルだったが、予定外の人数にどう対処しようかと頭をひねる。

「あぁ…俺は構わん。出来る範囲でルシータのリカバリもしておきたいし、帰りに何か買って来てくれれば…あ、それと俺は大学は辞めて来たから、もう【教授】ではない」

 先程からずっと、ノートPCとルシータ本体を交互に弄りまわしていた増田が、そのまま振り向きもせず言う。

「そ…そうか?ホンマにええんやな?…なら、行ってくるわ。さ、みんな出掛けるで!」

 予定外の出費が不必要になった事に安心したベルは早口でそう言うと、パタパタと事務所の出入り口の方へと羽ばたく。

「あ…ベル。私はジェム達の帰りを待って、彼女達に下調べをするようにお願いしておくわ。後から合流するから、先に行っててくれるかしら?」

 事務所を出ようとしていたベルを、ネイが呼び止めた。

「そうか?…そらええけど、早く来ぃへんとラムがお前の分まで食べてまうで?」

「ふふ…まあ、覚悟はしておくわ」

 そう言ってほほ笑むネイを後に、ベル達はリドルの城下町にあるレストランへと出掛けて行った。


←「ネイの分は確実にラムの胃袋に収まるな」とお思いの方は…
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はみぱん | コメント:6 | トラックバック:0 |
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この記事のコメント

ネイおばちゃん……。
はっ、やばい!こ……殺されるッ!!
今のは聞かなかった事にして下されぇぇぇっ!!

ミスティですかっ!
遂にラムちゃんが元に戻るかも?!
うわぁぁっ、ドキドキの展開ですね(*゚д゚*)

そしてネイちゃんのご飯は見事にラムの腹の中と……。
御愁傷様です……。
2009-10-09 Fri 23:44 | URL | 筱 [ 編集]
ネイ「筱さん、今…なんて言ったのかしら?」
(;゜ロ゜)ハッ筱さん、早く逃げてぇ!
…ここは私が…はぅっ!?*o_ _)oバタッ

…(o- -)oムクッ
ラム…元に戻れると良いですね~♪
ベル達はミスティーに勝てるのか…それ以前に【お茶のキャンギャル】でない事を祈ります( ̄人 ̄)
2009-10-10 Sat 01:20 | URL | rum_bulion [ 編集]
天井に突き刺さったベルと、ハリセン残心のメアリーのイメージが頭にちらついて離れません。ぷw

・・・ところで、やっぱり事務所はベルのセリフからでしたね。ニヤリw
2009-10-11 Sun 12:13 | URL | 7C林檎 [ 編集]
「おばちゃん」はね…
えぇ、ショックですとも(笑)

私も甥っ子、姪っ子には意地でも「お姉ちゃん」と呼ばせてますから(爆)

しかし……天井に突き刺さるって…… ヽ(´Д`;≡;´Д`)丿
ちなみにベルの顔の傷の回復力ってやっぱり凄いのかしら?
2009-10-11 Sun 13:05 | URL | 鷹の爪痕 [ 編集]
こんにちは!ちょっとご無沙汰してしまいました……投稿小説の締切が今月末なので、それまでひたすら執筆と見直しで限界の近い神田です♪(笑)

ベルとメアリーの黄金コンビのまさかの攻守交替があああああ!メアリーの初々しいツッコミが可愛い&おもしろいですw
そしてネイおばさんなんて……そんなっ!ネイは色っぽくかっこいいお姉さんですよ♪(笑)

ミスティを探し出してラムは元に戻れるのか、続きも楽しみに読みますね!はみぱんは疲れた時のいい息抜きになります~♪
2009-10-11 Sun 15:30 | URL | 神田夏美 [ 編集]
★ななちゃ
容赦なしにフルスイングするメアリー…そのフォロースルーの先の効果線が集中した場所には、ベルが「ぷら~ん」と…( ┰_┰) シクシク

★鷹の爪痕さん
ショックですかぁ…(┯_┯) ウルルルルル
私は二十歳前の頃に会社のお昼休みにめっさエキサイティングにバドミントンとしていた所、近所の子供が…「おじちゃん、カッコいぃ♪」って…【おじちゃん】を否定するか【カッコいぃ】を喜ぶか…一瞬悩みました(///∇//)

★神田さん
(ノ´▽`)ノオオオオッ♪
頑張っているのですね~^^
私も陰ながら応援していますっp(*^-^*)q がんばっ♪
見る年齢によってはネイも「おばちゃん」扱いになってしまうのでしょうか…><
>はみぱんは疲れた時のいい息抜きになります~♪
な、なんと嬉しいコメントを!?(ノ゜⊿゜)ノ
私の目指しているところを的確にくすぐるセリフ…嬉しすぎますっ♪どばーっ (┬┬_┬┬)

P.S. 皆様、お返事が遅れてしまい申し訳ありませんです<(_ _)>
実は現在出張先のホテルから接続しているのです(*/∇\*)キャ
おそらく2泊になる予定ですが、多分あまり接続出来ないかと思いますので…今のうちにストックを増やそうと思っております^^;
なので、更新やコメレスが遅れるかと思いますが、ご了承願います<(_ _)>
2009-10-12 Mon 18:08 | URL | rum_bulion [ 編集]

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