空想【はみぱん】小説(o^-')b

ファンタジー(?)小説をゆっくりまったりアップして行く予定です(;^_^A

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はみぱんTwo ~054~

「よし、では…用意しろ」

(ぱんぱんっ!)

 リドル王が掌を数回叩くと、縁側の向こうの襖が勢い良く開け放たれ、4つの影がドライアイスと思われる煙の中から現れる。

(ギャア~ン♪)

 突然鳴り響いた電気的な音…相変わらず家来や取り巻きの女性達は一斉に耳を塞いだ。


  ♪声高に時代は青物だとグルメリポーター 赤身で表層近くを群れで泳ぎたて…


 一瞬呆然と立ち尽くしていた増田だが、メロディーを良く聞いてみるとどこかで聞いた事のあるものに思えた。

「と…殿様!この曲って…」

 大音響で響く音楽にかき消されながらも、増田はリドル王の耳元へ顔を寄せて言葉をかける。

「はっはっは…先日招いた客人が置いて行ったくれた数枚の【こんぱくとでぃすく】なる物をヒントに、リドルでも【バンド】を組ませてみたのだが…どうだ?ちなみにこの曲は《威張る鯖》と言う」

 恐らく先日呼び寄せた高校生バンドが置いて行ったCDをパクった物と思われるが、元々あまり音楽に興味がない増田には…雑音にしか聞こえない。
 仕方なくその曲を聴いていた増田…池の周りの岩に腰をかける様にして演奏している者たちをぼんやりと眺めていると、彼らのシルエットがどうも気になった。
 やや遠めなのと、いくらなんでも多すぎるスモークで、はっきりと顔までは見えないが、どのメンバーもミュージシャンにありがちな細身な体型で…ただ、頭が異常に大きく思える。

(~ジャンッ♪)

「天晴れ天晴れ!…御苦労であった。お前達も楽器を置いて一杯やらぬか?」

 増田が気付くと、リドル王はいつの間にか枡を片手に演奏を聴いていたようだった。

「センキュウ…センキュウ…」

 歌声とは異なり、たどたどしい言葉でリドル王へと歩み寄るメンバー達。
 スモークも止まり、庭先へと降りて来たメンバーを見て、増田が声を上げる。

「うわっ!?は虫類…」

 増田の目に飛び込んできたのは、大人としてはやや小柄で異常なほど細身…対比して非常に大きな頭部に大きな目が黒光りしている灰色の肌を持った、所謂《グレイタイプの宇宙人》であった。

「はっはっは…驚く事はない。彼らは宇宙からの来訪者らしく、リドル上空で【ふらいんぐ・そぉさぁ】が故障したとのことで、修理が済むまでここで面倒を見てやっているのだ」

「いやいやいやいや…そんな、子犬を拾うかのように簡単に…」

 増田は初めてリドルランドに足を踏み入れた時と同等の衝撃に襲われ、上手く言葉が継げないでいる。
 科学者として、《リドルランド》の存在を受け入れるのにはかなりの時間を要した…しかしそこに無尽蔵の研究材料がある事に気付き、彼はその考えを変えたのだ。

「ネェチャン…エエチチシテンナ…」

「ほ~っほっほっほ!…さすがにその巨大な瞳はダテではないようね!?良い所に目を付けるわ」

 いつの間にかルシータの傍らで、彼女にちょっかいを出している宇宙人…しかし、細長い指をその胸に伸ばそうとした刹那!

「〔主電源ボタンに未確認人物の指が接近…排除します〕おやめっ!…私の主電源ボタンに触れて良いのは、オーサー・マスダのみよっ!?」

(パシッ!)

「ナ!?…エエジャナイカ…エエジャナイカ…」

 宇宙人とルシータの小競り合いが始まる…いまだに正気に戻れない増田は、茫然とそれを見ながら呟く。

ロボットと宇宙人の争い…ハッ!?これは、SF!?…スペース・ファンタジーなのか!?

 とは言え、その内容はお触りしようとする男とそれを拒む女性…下町のスナックで良く見られる光景である。

「はっはっは!お前達、そのくらいにしておけ。彼女は俺の大切な客人だ…演奏の褒美は取らせるので、もう下がって良い」

 リドル王の言う事を聞かず、ルシータの胸に欲情している宇宙人だったが、王の瞳が笑っていない事に気付いた宇宙人が他の宇宙人を止め、すごすごと下がって行った。

「すまぬな…少々不快な思いをさせてしまったか…増田とやら、口直しにお前も一杯やらぬか?もし飲めるのなら、ルシータとやらもどうだ?」

「ん…あ、あぁ。す、すみません…もう妖精達と合流しなければならないので、そろそろ失礼します」

 リドル王の問いかけに、やっと我に返った増田は、深々と頭を下げるとルシータを呼び寄せ帰り支度を始めた。


←急造バンド…やっぱりその程度か…( ┰_┰) と、思われた方は…
注:はみぱんの主成分は【駄洒落】で出来ています(T▽T)
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はみぱんTwo ~053~

「おぉおぉ!よく来たな。それがくノ一達の申していたからくりで動く者か!確かに人間と殆ど変らんが…ふむ、やはりよく見るとどこか珍妙な顔をしておる」

 時は進み翌日…舞台はリドル城の中庭である。それまで池の魚に餌をやっていたリドル王は、待ちかねていた客人の姿を見るなり駆け寄ると、しげしげと客人の顔を覗き込む。

殿!そちらはディジェネの博士で《増田雅広》様にございます」

 客人達を連れて来た家来が、慌ててリドル王へと耳打ちする。

「何?からくりはこちらではないのか?…では何故あんなに髪の毛がもじゃもじゃなのだ?」

「そ、それは私にも分かりかねますが…とにかく、からくりはこちらの娘にございます」

 家来は少々顔を赤らめ、心苦しそうな表情で増田に目を合わせることなく、ルシータへ手のひらを向ける。

「おお!そうかそうか。ほぅ…あまり見ぬ装束をまとっている以外は、どこも人間と変わらぬではないか!これをお前が造ったのだな?これはすばらしい…誰か、褒美を!」

 家来とは対極的に、細かい事は気にせず己の思った事を口にするリドル王…初めはむっとした表情だった増田も、心からの称賛を受けて少々口元が緩む。

「ほ~っほっほっほ…あんたがこの国の王ね?今後私が行動しやすいように取り計らう事ね!」

「なっ!?…無礼な!いくらからくりとは申せ、その言葉遣い、到底許されるものでは…」

 周りにいた家来達が一斉にルシータへ駆け寄り、城内の至る所からルシータへ殺気が向けられた。

申し訳ございません!彼女の言語プログラムには【上下関係】というものが上手く組み込めていないようで…」

 一変して沸き起こったただならぬ雰囲気に、慌てて増田が深々と頭を下げる。

「よいよい…気にするな。からくりが言葉を発するだけで十分驚くべき事じゃないか…影達も、気を静めよ」

 リドル王の言葉に、周囲を包んでいた殺気が少しずつ収まって行った。

「おどかしてしまったな…すまぬ。気を取り直して…おぉ、そうだ!増田とやら、魚には興味がないか?丁度今、餌をやっていたのだが…ディジェネでは見られん、面白い魚だが…良ければ詫びに数尾持ち帰るか?」

 そう言いながら、リドル王は家来の持つマスからきらきらと光る砂利の様な粒を一掴みすると池へと放った。

(シャバシャバシャッ!)

 水面へ落ちる餌を待つのももどかしそうに、10数センチ程度の魚が群れをなして水面に群がる。

「こいつは、《グァラ・マグ》と言ってな?俺の様に元々魔力の無い者にとってはただの小魚に過ぎんが、魔法使いがこの池へ落ちたら、ものの数分もかからず魔力を全て食らい尽されてしまうのだ…リドルでも非常に珍しい種類の魚だが、長年の研究の成果で養殖に成功し、今では城を囲んでいる堀にもうじゃうじゃしている」

 リドル王は少々自慢げに水面を眺めながら増田へと話しかける。

「ほぅ…非常に興味深い魚ですね。私も若い頃は毎日の様に釣り具屋にたむろしていた程、魚好き…いや、釣り好きなのでしょうか…しかし、こちらの世界にはそんな魚がいるとは…実に面白い」

 興味深げに自分の話に食らいついて来る増田に気を良くしたリドル王は、その生態や餌などについて一通り語ると、パンパンと手を叩き、家来を呼んだ。

「…で、餌は普通の餌に少量の魔力を含んだ砂を混ぜた物を使うのだ…おい、誰か!彼が帰る際にこいつをバケツ一杯持たせてくれるか?」

 家来の一人が頭を下げると、その準備の為か一度奥へと下がって行った。

「私の世界にも、《ガラ・ルファ》という角質などを食べてくれる、別名《ドクターフィッシュ》という物がいますが…こいつはむしろ《キラーフィッシュ》ですね…」

「はっはっは!確かに…魔法使いにとっては、まさに《キラーフィッシュ》だな!」

 すっかり意気投合したリドル王と増田…しばらくはグァラ・マグに餌をやりながら盛り上がっていたが、ふとリドル王が何かを思い出したように立ちあがる。

「おぉそうだ、すっかり忘れておった!…先日ディジェネ…お前達の言う日本からオンガキャーを呼び寄せたのだが、俺もあれが気に入ってな?リドルでも楽隊を組ませてみたのだが、聞いて行ってくれるか?」

 増田は少し考える様な仕草をした…彼には【オンガキャー】が何を意味するのか分からなかったが、このリドルの長の気質が気に入った事と、日本から伝わった【何か】に興味を持ち、少しだけ時間を取る事にした。

「世話になっている妖精達と落ちあわなければいけないのですが…それも興味深いので少しだけ聞かせて頂けますか?」


←はてさて…殿が集めた【急造バンド】とは…^^;

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はみぱんTwo~052~

「っメアリー!そのまま動くなよ!?」

(じゅううぅ~~)

 ジンがポットの麦茶をメアリーの背中にかけ、火の方は消す事が出来た。

「ご主人様、ありがとうございます。どうりで暑すぎると思いましたぁ…てへっ♪

 メアリーは、自ら作った拳で頭を軽く小突きながら舌をペロッと出す。

「てへっ♪っちゃうやろ!…いくら幽霊だからって、背中に矢ぁ突き立てといて気付かんってどんだけやねん!
…ってか、ウララ言うたな?お前も後から入って来んなら矢文は必要ないやろが!しかも矢文に火を放つって、どんだけオモロぃ脳みそしとんねん!?ちょっと頭蓋骨開いてウチに見してみぃ!」

 ベルがウララに向かってハリセンを振りまわすが、それが当たる寸前にまるでテレポートの様なスピードであちらこちらへ瞬間移動し続け、ハリセンがヒットする事はなかった。

「はぁ…はぁ…なんでウチの周りは、まともにツッコミを受ける度胸のないヤツばっかりなんやぁ~」

 一向に当たらぬハリセン…肩で息をしながら、ベルはとうとう泣き出してしまった。

「しかしメアリー。矢が刺さってたって事は、透明化してなかったって事だろ?背中、大丈夫なのか?」

 テーブルの上の専用ソファーで泣き崩れるベルをよそに、ジンがメアリーを気遣う。

「あ、それはですね…さっきの戦闘で背中を擦りむいた時の傷がブラの金具に擦れて痛むので、冷蔵庫で見つけたかまぼこの板を背中に挟んでたんですよ…うふっ♪

 そう言って手を背中にまわして矢を引き抜くと、更に板状のものを取り出すメアリー…板にはまだかまぼこがしっかりと乗っていた。

「ちょっちょ…それ、まだかまぼ…もうええわ。突っ込む気力もないわ…」

 目を腫らし、疲れた表情でがっくりと肩を落とすベル。
 事務所の隅をふと見ると、ぴんと立たせたしっぽでスカートをめくり上げ、今にも飛び掛かろうと言う体制でかまぼこをロックオンしているラムが目に入った。

「あら、ラムさん。もしかしてこのかまぼこ、食べま…きゃっ!?」

(っばくぅっ!)

 メアリーのセリフが終わらないうちに、かまぼこの存在は一瞬にして消え去った。

(んもぐもぐもぐ…)

「ん~…ちょっとしょっぱい」

「ラぁム!そんなモン食べんなや!…ってかお前、さっき二人分の食事をぺろりと平らげて来たばかりやないか!お前の胃袋はどこまで底なしなんや!?」

 そこへ増田がうんざりと言った表情で、メアリーから矢文を受け取る。

「全く、いつまで続くんだ?そのコントは……今必要な物は『これ』じゃないのか?」

 矢からほどかれた文書は、幸いにも水にも炎にもやられていなかった。
 そうして増田が地図を開き、テーブルへ置くと、一同は一斉にそれを覗き込む。

「S高校か…昔、私の古い友人が通っていた全寮制の高校だな。いずれにせよルシータのナヴィ・システムには地点登録をしておくので、お前達は先に向かってくれて構わん…さあ、ルシータ!レッツ・スキャン!」

 増田のセリフに反応したルシータは、突如起き上がりテーブルまで歩いて来たかと思うと、増田から地図を受け取り両手で目の前に広げる。

「Reading now...30%...60%...90%...地点登録完了。目的地点までを高速道路優先で検索しますか?」

「ちょっちょちょお!?…ウチらディジェネの交通ルールは完全に把握しとるわけちゃうけど、ルシータは高速道路を走れんのか!?」

 増田とルシータとのやりとりの間に割って入るベルだが、それを無視するかのようにルシータから機械音が鳴る。

(ぽ~ん♪)

「検索が終了しました。走行には実際の交通標識を守って走行致します」

「もうええっちゅうねん!…まだ続けとったんかい、このオンボロイドがっ!」

(ッバシィィン!)


←カーナビとしてルシータが欲しいと思った方はクリック♪
ルシータ : 「ほ~っほっほ!次の角を右へお曲がりっ!」
●●●● : 「え?どこです?」
ルシータ : 「もう通り過ぎたわよ、このグズ!」
●●●● : 「そ、そんな…言うのが直前すぎ…」
ルシータ : 「おだまりっ!」(バシッ!)
…やっぱりいりません( ┰_┰) シクシク

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はみぱんTwo ~051~

「んん?…なんや、何が入っとったん…ぎゃあ!…ままま…まさか…これって…」

 テーブルの上のタッパーへ歩み寄り、横からその中身を覗き込んだベルもその場で腰を抜かし、座りこんでしまった。

「とにかく腹が減って…こっちの世界独特のゲテモノじゃなければ何でも良いから…ん?それは日本にもある食べ物じゃないか!…というより、むしろ私の好物だ」

 そう言うなり、増田はタッパーのふたを開け、手掴みでその中にある物を次々に口へと放り込む。

「うぁ!?…ちょ、ちょっと待っ…」

 ジンが増田を止めようとしたが、それをベルが制止する…それに気付いた増田が口を動かしたまま彼らを一瞥した。

「あぁ、悪かった。勝手に食べ始めたのは謝るが…いかんせん空腹でな。何よりこれは私の大好物なんだ…この『酢ダコ』!肉厚で、相当な大物だったんだろうな…うん、美味い!」

 ベルはそのセリフを聞いて、身震いをしたが、やがて小声でジンへと囁く。

「ま…まさかあれ…ナナの腕…ちゃうやんな?」

「お…おぅ。さっきのナナの話しぶりだと、結構昔の話…少なくとも昨日今日の話じゃないだろ?」

 至福の表情で酢ダコを貪り食う増田を、二人は恐怖の眼差しで見守っている。

「しかし…よりによって、何で『あの』話の後の土産が『酢ダコ』やねん!…冗談にしても到底笑えへんわぁ」

 増田が酢ダコを平らげるまでの数分間…ベル達は彼を正視できずにいた。

「ぷふぅ!晩飯が酢ダコだけってのも少々淋しいが、とりあえず空腹は満たされた…おっとそうそう、あの忍者…《ネイ》と言ったか…彼女から託(ことづけ)を頼まれていたんだった。テーブルにもメモがあると思うが…」

 そう言って、酢の臭いをぷんぷんとさせながら増田がベル達のいるテーブルへと近付いてきた。
 ベルはその臭いに気が遠のきそうになったが、視界の隅にメモ用紙を見つけると、それを大きくテーブルの上に広げる。

「なになに?…『ミスティーの居場所を突き止めた。キトゥニッシュとバッティングする可能性があるので、先に行動を起こす。場所はディジェネのS高校…詳しい場所は分かり次第誰かに矢文などで知らせる様に伝える。
 追伸:ジンへ…潜伏先は高校なので、私の制服姿を楽しみにしていてね♪』…やと?」

 ジンは既に妄想の世界へ突入しているのか、ぼ~っとしたまま空(くう)を見つめている。

「そのようだな…また、ルシータの今後の行動を取りやすいようにリドル王との面会も取り計らってくれているようだ」

「あぁ、せやな…それがええ。ただ、事が急なだけにウチらも早いうちにネイと合流したいんやが、リドル城はゲートとは反対方向やし…時間のロスがでかいな」

 そう言ってテーブルの上腕を組み、う~んとベルが唸った。

「それなら、リドル城へはウララが案内しますですよ♪」

 突然の声に、皆が一斉に振り向く…すると満腹で足拭きマットの上に寝転がっているラムの背中をごにょごにょと撫でまわしているくノ一が目に入った。

「お前は…ルシータとの戦闘中にいたくノ一やな?」

「はーい♪ウララちゃんですよ~」

 そう言って立ちあがった彼女はその刹那、一同の視界からその姿を消す。
 次の瞬間にはボフッという音と共に、ソファーの上へと身を投げ出していた。

「お、おぉ~!さすがくノ一やな。若そうに見える割には、結構な技を持っとるわ…ってか、S高校の地図はお前が持って来たってこっちゃな?」

「え?確かにウララが持って来たけど、ここへ入る前に…ちゃんと矢文を飛ばしておきましたですよ?」

 きょとんとした表情でベルを見つめるウララ…そこへ給湯室から勢いよくメアリーが出て来た。

「今日は本っ当に暑いですねぇ…さぁ、みなさんキンキンに冷えた麦茶は如何ですかぁ…うふ♪」

「ちょっと今はそれどころじゃ…ってか、今度はドライアイスなんか使うてへんやろな?」

 怪訝そうな表情でグラスを覗き込むベル…そこには一応、普通の氷が落とされていたようだった。

「嫌ですねぇ…そんなに何回も同じミスはしませんって…うふ♪」

そう言ってメアリーは冷えた麦茶をひとつずつテーブルへと置いて行く。

「おう、サンキュっ!確かに今日は一層暑いな…何だか暑過ぎて、部屋まで焦げ臭い気がして来た」

「あはは…そら言い過ぎやろ。いくらなんでも熱帯夜だからって、それだけで火事になってもうたら夏が来るたびに家を建て直さなあかんやろ」

 笑いながらカップ型のミルクピッチャーに注がれた麦茶に口を付けようとするベル…だが、何かに気付き手を止めた。

「ん?…メアリー。後ろ…背中になんか付いとるで?…ちょっと後ろ向いてみぃ」

「はぃ?…どうかしましたかぁ?」

 不思議そうな表情で、くるりと振り返るメアリー…彼女の背中には深々と矢が突き刺さっており、しかもその矢は音を立てて燃えている!

「っぎゃあぁっ!?ちょっちょっ…おま…おま…せせ、背な…」

「おませな十六歳?」

 メアリーはそう言いながら振り返ったままのポーズで、親指を軽く噛みながら片足をぴょこっと後ろへ跳ね上げる。

「お、お、お…おっちゃんがええこと教えたる…せやから、な?な?…な?…って…何の話じゃぁ~!?」

(ッズビシィッ!)

(っぷっしゅうぅ~~~)

 親指を噛んだままでツッコミを受けたメアリーは、見事に指先を噛み切り、水芸の様に鮮血を噴き出した。



←タコのナナが土産見持たせたものは「酢ダコ」でした(TT▽TT)ダァー
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