空想【はみぱん】小説(o^-')b

ファンタジー(?)小説をゆっくりまったりアップして行く予定です(;^_^A

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Humming from pandora’s box ~024

 翌朝、空が藤色に染まった日の出前…ネイが静かに布団から出ると、シェリーも目を覚まし、重そうな瞼を擦りながら姉に声を掛ける。

「あ…おねぇちゃん、おはよう。」

 ネイは起き上がろうとする妹をそっと布団に戻すと、静かに言った。

「ごめんね…起こしちゃった?
まだ早いから、シェリーはもう少し寝てなさい。」

 姉の言葉に首を振り、体を起こすシェリー。

「ん~ん。
 今日はペドロおにぃちゃんと、釣りに行こうと思って…それに、おねぇちゃんのお見送りを、ちゃんとしたかったから…」

 ネイは瞳を細め、愛しむように妹を抱きしめた。

「おねぇちゃん…苦し…」

 そうして2人はそれぞれ、出かける用意を整えると、家を出て歩き始める。

「今度はいつ帰ってくるの?」

 竹を切り出した釣竿を担いだシェリーが聞く。

「う~ん…分からないけど、出来るだけ帰れるようにするから、シェリーはおじいちゃんの言う事を良く聞いて、いい子にしてるのよ?」

 妹の横に並びながら、ネイが言い聞かせるように指を立てる。

うん、分かった。シェリー、いい子にしてるよ!
だから早く帰って来てね?


 大きな瞳でにっこりと笑い、シェリーが答えた。

「ペドロの家は向こうだから、ここで分かれましょう。
…元気でね?」

 そう言ってネイは、妹の頭をくしゃくしゃと撫でると、林の中へと消えて行った。
 シェリーは姉の姿が見えなくなるまで手を振っていたが、やがて踵を返し一件の家の前に立つ。

おにぃちゃん!釣りに行こう!!

 元気良く声を掛けたシェリーだが、一向に返事の返る様子が無い。

「もしかして、またあそこに…」

 シェリーは不安を感じながら、ペドロの父の墓がある丘へと駆け出した。

(シャァ~~!)

 丘に近付くと、木々の向こうから爬虫類独特の呼吸音が聞こえる。
 その声の主を見つけたシェリーは、思わず小さな声を上げた。

「ワ…ワイバーン!?」

 数匹のワイバーンが、丘の上に置いてある何かを啄んでいる。

(ま、まさか…おにぃちゃ…)

 あまりの光景に、シェリーはその場にへたり込んでしまった。

(ヴォンッ!)

 と、突然風を切るような低い音がしたかと思うと、一頭のワイバーンの体が真っ二つに切り裂かれる。

「・・・最後の食事の味はどうだ!?ウチで飼っている牛は美味いだろう?」

 嘲笑うかのような声をワイバーンに叩きつけ、ガサリと草を分けて男が姿を現した。

「おにぃちゃん!?」

 思わず声を上げるシェリー。
 男もそれに気付き、ワイバーンを威嚇したまま視線だけをシェリーに移す…それは紛れも無くペドロであった。

「シェリーか…」

 その手には水に濡れたような妖しい輝きをした刀が握られている。
 刀は、自らを取り巻くように常に風が渦を巻いていた。
 ペドロがシェリーの持っている竿を見つけると、静かに口を開く。

「いつも言ってただろ?釣りは生きのいい餌が肝心だって…
 ここでウチの牛を使ってこいつの試し斬りをしていたら、こいつら、あっという間に寄って来やがった。」
 シェリーに気を取られているペドロを、ワイバーンは見逃さなかった。

(クワァ~~!)

 ワイバーンがペドロに飛び掛る。

(バシュゥ!)

 薙ぎ払うように弧を描いた刀…まだ通常の刀の間合いの遥か遠くにいたワイバーンの首がばっさりと斬られ、その頭を転がした。
 胴体だけになったワイバーンは、惰性でペドロに向かって跳んでいたが、直前で失速すると血飛沫をペドロに浴びせながらその身を地に叩きつけ、動かなくなる。

「どうだこの威力…昨日、お前を送りに行って正解だったよ。
 こんな刀があるなんて…さあ、俺の親父を喰った奴はどいつだ?
フッ…いずれにしろ、一匹たりとも帰すつもりはないけどな。」

返り血に染まったペドロが殺意に燃えた瞳を細め、にやりと微笑む・・・
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Humming from Pandora’s box ~023

・・・それはまだ、リドルランドと日本が繋がる以前の話である。

 リドルの城下町から離れた【オードビィ山】に、小さな集落があった。
 山の向こう側に沈み行く夕日を受け、いつまでも佇む少年が一人…項垂れた視線の先には、彼が作ったのであろう…木の枝で組まれた簡素な墓が夕日に赤く照らされていた。

「おにぃちゃん、またここにいたの?」

 声を掛けたのはシェリー。
 まだ12歳…幼さの残る少女は、今ほど肉付きもなく、更に痩せて見える。
 少年は背後から突然かけられた声に、慌てて頬をこすり、振り向く。

「シェ、シェリーか…」

 無理に作られた笑顔…少年は出来るだけ平静を装い、まだ幼いシェリーに優しく答えたが、その瞳は赤く腫れていた。

「おにいちゃん…ここにいちゃダメだよ…またワイバーンが…
おにぃちゃんまでワイバーンに襲われちゃったら…ボク…ボク…」

 そう言いながら、幼いシェリーもまた瞳に涙を浮かべ、今にも泣き出しそうな表情をしている。
 今までも年に数回程度、別の山からワイバーンという、ドラゴンに比べ体長も小さく知能も低いドラゴンの亜種が餌を探しにオードビィ山に来ることはあったのだが、大抵は野犬などの山に住む動物や家畜などが狙われる事が多かった。
しかし先月、運悪くシェリーの慕っている少年【ペドロ】の父が仕事中にワイバーンの被害に遭い、命を落としたのだ。

「…ごめんごめん。
 もう帰るつもりだったんだ…さあ、一緒に帰ろう。」

 ペドロはそっとシェリーの肩を抱くと、村の方へと歩みを進める。

「うん!」

 零れそうだった涙を乱暴に拭い、シェリーは肩に回された手を握り、ペドロを見上げた。

そうだ! おにぃちゃん、これ…あげる!」

 林道を下り、薄暗くなった景色の奥に、村の明かりが見え始めた頃、思い出したようにシェリーが懐を探る。
 差し出されたシェリーの小さな両手から銀色の細いチェーンが滑り落ちる。
 手の中には殆ど加工されていない透き通った青色の石がぼんやりと光を放っており、台座には銀色の翼があしらわれていた。

「これは…【ブルー・ラグーン】?」

 覗き込んだペドロの顔が青白く照らされる。
 それは、オードビィ山で採れる鉱石の一つで、魔力を秘めた石である。
大きさや純度によってはとてつもない魔力を持っており非常に高値で流通しているが、今シェリーが持っている物は大きさも純度も低く、ブルー・ラグーンとしての価値は限りなく低いものだった。

「うん!いつもおにぃちゃんが釣りに連れて行ってくれる川で見つけて、じいちゃんにネックレスにして貰ったの。
 小さいけど、お守り位にはなるかなって…はい!」

 瞳を輝かせ、ブルー・ラグーンを差し出すシェリー。
 ペドロはそれを受け取って首にかけると、照れ隠しにシェリーの頭をがしゃがしゃと掻き回す。

「ダメじゃないか。一人で川になんか行ったら…釣りに行きたかったら、俺を誘えって!釣りの腕もまだまだなんだしな!?
…けど、ありがとうな?」

 頭を撫でられ、髪をボサボサにしながらも嬉しそうな笑みを浮かべるシェリー。

「あ!早く帰らないと、またじいちゃんに怒られる!」

 シェリーの言葉に、二人は再び村へ向かい歩き始めた。
 歩みを進めながらペドロがネックレスを見つめる。

「俺にも…俺にも翼があれば…あんな奴等なんか…」

 ペドロの呟きはシェリーには聞こえておらず、自宅まで送ってもらった彼女は笑顔で手を振り、家の中へと入って行った。

「おかえり。
 シェリー、ちょっと遅くない?」

あ!おねぇちゃん!? 帰ってきてたの?

 家に入るなり、シェリーは声の主に気付くと、目を見開いて駈け寄り抱き付く。

「ちょっと、危な…倒れるってば…ふふふ。」

 勢い良く抱き付かれ、バランスを崩しそうになりながらも久しぶりの妹との再会に笑顔を隠せないネイ。
 彼女もまた現在とは違い、ポニーテールに束ねた髪が若々しく、丁度少女から女性へと変わり行く間のゆらめきを持つ時期である。

「くノ一のお仕事はお休み?
 そのまま辞めて、帰ってくればいいのに。」

 姉に抱き付いたまま、顔を上げてシェリーが訴えかける。

「そうは行かないわよ。
 明日、このオードビィ山の山頂でリドル王の宝刀【+2旋風(つむじ)】のお清めがあるから、こっちに来ただけ。
王様の許しを得て、今夜だけ里帰りを許されたけど…明日の日の出には仲間と合流しなきゃ。」

「つむ…じ?」

 シェリーは頭の頭頂部を指差し、首を傾げる。

「ふふ…その旋毛とは違うのよ?
 つむじ風のつむじ…魔力を持ったその刀は、鞘から抜いただけで旋風を巻き起こし、離れた敵をも一刀両断に出来る刀なの。」

 ネイが妹の肩を抱きながら言う。

「へぇ~、凄いんだね?」

「そう…けど、【旋風】は妖刀でね?
 強い魔力を持った人でないと、妖刀に魅入られてしまうの。」

 姉の話に頷きながら、熱心に聞き入るシェリー。

「さあ…そんなことより、食事にしましょう。
 シェリーもお腹が空いたでしょう?
手を洗っておいで。」

 大きく頷いたシェリーが、台所へとかけて行く。
 ネイはふと窓の外に気配を感じたが、職業病かと呟くと自嘲気味に微笑み、食卓へ着いた。
 その晩、久しぶりの姉との再会にシェリーは片時も姉と離れようとせず、結局フロから布団まで一緒に入る事となってしまった。

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Humming from Pandora’s box ~022

「はっはっは…もっと踊れ、歌え。」

 時は少々戻り、リドルランドの中心であるリドル城の天守閣である。
 着物姿の女性に囲まれ、酒を煽りながら悦に入った表情で宴に興じる初老の男。
 しかしその体は鍛え抜かれ、実年齢よりもはるかに若く見える。

「よ~し、盛り上がってきたところで、ディジェネの国から取り寄せたこいつを披露しよう!」

 男は部屋の隅に置かれ、布で覆われていた物を取り出すと、ぱっと布を取り払う。

「きゃあ!何ですの…それ?」

「三味線でしょうか?」

 男は含み笑いをしてベルトを肩にかけると三味線と言われたそれを鳴り響かせる。

(ギャァァ~ン!)

「きゃっ…五月蝿…す、すみません。」

 女性達は突然の雑音に思わず耳を塞ぐが、慌てて姿勢を正す。

「はっはっは…よいよい。
これはエレキギターと言ってな?電気によって音を増幅する楽器らしい。
 俺には楽器の心得がない故、このような騒音になってしまったが、お前なら弾けるのではないか?」

 そう言って男はそれまで三味線を弾いていた女性にギターを手渡す。
 リドルランドは電気ではなく、【魔法】によって繁栄して来た世界である為、女性はそれを少しの間物珍しそうに見つめていたが、やがて意を決したように音を出し始めた。

(ギュ~ン…ギュ~ン)

「リドル王様、やはり三味線とは勝手が違うように思います。
わが国にも音を増幅する魔法はありますが、それでもこのような音にはなりませぬ。」

 手渡されたギターを三味線のバチで鳴らしていた女性は、やはり思うようには音を出せないようだった。

「そうか、なら今度ディジェネの音楽家を招待しないといけないな。」

 女性はリドル王にギターを返そうとするが、物珍しさに他の女性がギターを弾きたがり、奪い合いが始まる。

「はっはっは…こら、ケンカをするな。折角のギターが壊れてしまうではないか。」

 しかし自分の取り寄せたギターを取り合う姿に、男は少々満足気に微笑む。

(…すっ)

 そんな騒ぎの中、天井の板が音もなくずらされる。

「ん…さあ、宴はお仕舞いだ。ほら、ギターを置いて…また明日にしよう。」

 突然の言葉に、女性達は少々不満気味な表情を見せるが、不承不承部屋を後にする。
 リドル王は皆が出て行ったのを確認すると小声で天井に呼びかける。

「…ネイか?」

「はい。」

 音もなくリドル王の前に姿を現したネイ。

「おお!良く戻った。相変わらず美しいの。」

 そう言ってネイの頬に手をやろうとしたリドル王だが、ネイはするっとその手をかわす。

「王様、またこのような時間から宴ですか?お酒も量を過ぎると毒になります。」

「何を言う。まだ100には10年以上あるというのに、酒などにやられはせんて。」

 リドルの人間はディジェネに比べ、倍近くの寿命があるため、87歳であるリドル王もディジェネで言えば40代半ばといったところである。

「お年の事を言っているのではありません…私は王様のお体を…」

「はっはっは…まあ、酒と宴は一生やめられんだろうな。
…ところで、例の方はどうなっている?」

 リドル王はそう言って豪快に酒を煽る。

「はい、特に変わった様子はありません。
本当に彼は時空が繋がった事に関わっているのでしょうか?」

「そうかも知れんし、そうじゃないかも知れん…まあ、可能性のある人間であることは間違いない。」

 リドル王とネイは、それからしばらく声を潜めて会話をしていた。

「折角だ。一杯飲んで行かぬか?」

 会話がひと段落すると、リドル王は杯に酒を注ぎ足し、ネイに勧める。

「いえ…まだこれから一仕事しないといけませんし…妹を待たせておりますので…」

 断られた杯を自ら飲み干し、リドル王は目を細め、外の景色を眺める。

「妹…シェリーと言ったか。俺の知らぬ所で起こった事とはいえ、可愛そうな事をした。
 あの一件以来、表向きはお前を破門した格好になっているが…お前が許してくれるのなら、すぐにでもシェリー共々くノ一部隊へと戻してやれるのだが…」

「許すも何も…むしろあれは私からお願いをした話ですから。
いずれにせよ、シェリーにはくノ一になって欲しくはないんです。
…彼女は憧れているようですが…では、時間もありませんので。」

 一瞬だけ顔を曇らせたネイだが、リドル王に頭を下げるとすぐにその姿を消した。

「…言い忘れていましたが、ベル達が仕事でディジェネの国へ渡ろうとしていますので、宜しくお取り計らいを…」

 最後にその声だけを残し、ネイはそれきり気配を消した。
 誰にも気付かれずリドル城を出たネイは、シェリーの後を追うべく凄まじい勢いで城下町の屋根や壁を跳ぶ。
 ネイによって切り裂かれた風の音に、彼女は過去を思い浮かべていた。

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Humming from Pandora’s box ~021

 一方男湯のジンは湯船から上がり、シャンプーを泡立てて頭を洗っている。

「ご主人様、お背中を流しましょうね?…うふ♪

「お?メアリーか…さんきゅ…って、お前!ここは男湯じゃ…はうぅ!?

 最初は普通に受け答えしたジンだが、慌てて振り返る。
 そこには豊満な体にボディーシャンプーを
塗り付け、泡立てているメアリーがいた。

「お前。な、ななな…」

「…ナトリウム・アマルガム?」

 メアリーがにっこりと微笑む。

「ち、ちちち・・・違う違う!な、何でお前が男湯に!?」

「勿論、ご主人様の背中を流そうと…うふ♪

 体の前面を泡で覆ったメアリーは、そっとジンに手を差し伸べる。

「ななな、何で俺の背中を流すのに、お前が泡だらけになるんだよ!」

 差し伸べられたメアリーの手を振り払い、ジンが顔を真っ赤にして聞く。

「えぇ!?殿方の背中は、こうやって洗うって教わりましたけど…」

「だ、誰に何を教わってるんだよ!いいから早く女湯に戻れってば!

 気付くと他の入浴客は皆湯船に浸かり、メアリーの裸体を凝視している。

「で、でも…ご主人様の背中…」

「一人で洗えるから大丈夫だってば!」

 そう言われメアリーは、しぶしぶと女湯に繋がる竹を組んだパーティションへと消えて行った。
 それからしばらくの間、誰一人として湯船からあがれる男性はいなかったという。

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第646回「2009年の目標」

ラム「きゅぅ~~ん・・・ここ、どこ?」

ベル「トラックバックテーマ書いてあるけど・・・なんやろな?」

ネイ「今日は小説は休憩して、【2009年の目標】についてお話をするらしいのよ。まぁ、作者もトラックバックの意味がよく分かってないらしいけど…」

ベル「そうなんか・・・今年の目標て、いきなり言われてもなぁ…ま、ウチらは依頼の最中やし、それを一刻も早く解決して、美佐からがっぽり依頼料を頂くのが第一目標やけどな?」

ネイ「それはそうかもしれないけど、折角なんだからもっと夢のあるお話はないの?」

??「はぁい♪・・・私、目標あります~…うふ♪

突然照明が落ち、それまでの華やかな雰囲気から一転して、BGMも怪しげなものに変わる。

ベル「この声はまさか…で、出…デデデ…」

メアリー「…デンドロビウム?」

ベル「ちゃうわぁ!!誰がモビ○スーツの話しなんかしとんねん!」

メアリー「じゃぁ…ラン科の植物の方ですかね…うふ♪

ベル「デンドロビウムの話はしてないっちゅうねん!いい加減、その登場の仕方はやめっちゅうねや!!」

興奮冷めやらぬベルの羽をひょいとつまんだネイが、メアリーに話しかける。

ネイ「じゃぁメアリー…目標を聞かせてくれる?」

メアリー「はぃ♪…え~とですね~、今年こそはご主人様に、よりご主人様らしくなって頂く為に…★★★の★★★を★★って、挙句の果てには★★った★★★の★★を・・・」

ベル「ぎゃぁ~~~!こここ・・・こんなトコでナニを言うとんねん!!殆ど伏字やないかぃ!!」

ベルが大きなハリセンを抱え、パタパタと羽を震わせてメアリーを追いかける。
逃げ惑うメアリーを見たラムも4足歩行モードで彼女を追いかけ始めた…これは単に犬部分の習性であろう。

ネイ「…やっぱり収拾がつかなくなっちゃったわね。ま・・・また次回このような【番外編】があった時は宜しくお願いしますね?では、小説の続きをどうぞ♪」

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Humming from Pandora’s box ~020

「あら、ベルさん。まだお風呂に入ってなかったんですか?…うふ♪

 派手なフリルの付いたメイド服を脱ぎながら、メアリーが話しかける。

「おお!遅いやないか。はよこのドア開けたってや!」

 ベルには風呂場へ入るドアが重くて開けられなかったようだ。

「ちょっと待って下さいね?
…けどベルさん、ここはリドルとは違うんですから、あまり目立たないようにってご主人様が言ってましたよ?…うふ♪」

 やがて衣服を全て脱いだメアリーが風呂場へのドアを開ける。

ひゃっほぉ~~~う!

 一目散に湯船へと飛んで行ったベルは、水中の魚を獲る鳥のようにダイブすると、やがてぴょこっと顔だけを出した。

うぇぇ~い。やっぱり温泉はええなぁ…景色もええし、これで酒があれば最高なんやけどなぁ…」

「お酒はダメですよぉ…いつゴーレムが完成するか分からないんですからね…うふ♪」

 遅れてベルの横へメアリーが入って来る。
 ふと気付くとラムはだばだばと犬掻きで浴槽中を泳ぎ回っていた。

「ラムさん…他の方に迷惑になりますから、泳ぐのはあまり飛沫の飛ばない【平泳ぎ】にした方がいいですよ?」

 メアリーがばっしゃんばっしゃん飛沫を上げて泳いでいるラムを諭すように言う。
 他の客と言っても食事の時間が近いせいか、広い露天風呂には3人組の若い女性が入っているだけであった。

「きゅ~ん。ラムこれしか出来ないよぉ~。」

 ラムがメアリーの方へだばだばと波を立てて泳いでくる。
 それにつれ、ラムが立てた波によってベルがゆらゆらと揺らされる。

「くぉら、ラム!温泉はプールとちゃうんやぞ!?静かに入っとらんかい!」

 怒られたラムが泳ぎをやめ、メアリーの前に首だけを出して【おすわり】をする。
 するとラムの目にメアリーの豊満な胸が飛び込んで来た。

「きゃう~…メアリーの胸、おっきい…」

 ラムは自分の胸とメアリーの胸を交互に見比べながら、羨ましそうな声で呟く。

うふ♪…ラムさんも殿方によ~くマッサージして貰えば、すぐに大きくなりますよ?」

 メアリーが湯船に浸かったまま両手で胸を持ち上げてみせる。

「きゅ~ん…マッサージかぁ。
ジンにしてもらおうかなぁ…」

 ラムは立ち上がると、掴み所の無い自分の胸をゆっくりとさする。

「くぉら、メアリー!ラムに何を教えとんねん!
 お前、陰でジンとそんな事しとったんか!?」

 ベルが露天風呂を囲っている岩に立ち上がり、メアリーの髪を引っ張る。

「痛たっ!昔の話ですってば、今のご主人様はしてくれないんですよ~。」

 相変わらず騒がしい三人に、やがて周りの女性達が注目し始める。

「きゃっ!…もしかして…妖精!?」

「あぁ~!?こっちは犬みたいな人がいるぅ。」

 先程まで露天風呂の反対側で景色を見ながら会話をしていた女性達が、ベル達の方へと寄って来た。

「もしかして、リドルランドからいらっしゃったんですか?」

 長そうな黒髪をタオルで束ねた細身の女性がベルに問いかける。

「え?…いや、あはは…まあ、そうやけど…」

 人形のフリをし損ねたベルが、ちゃぽんと湯船に浸かり答えた。

「ほらぁ、やっぱりそうだったでしょ?」

 女性ははしゃぎながらオレンジ色に髪を染めた女性の脇を突付く。

「あ、すみません。私は優子って言います。
 短大の【温泉同好会】で、あちこちの温泉を巡っているんですよ。」

「あ、愛です。」

 優子に続いてオレンジ色の髪の女性も自己紹介をする。

「ふみぃ…美衣ですぅ。」

 美衣は少々怯えた表情で、隠れるように他の二人の後ろにいる。

「ねぇ妖精さん。リドルランドにも温泉ってあるの?」

 興味ありげに愛がベルに顔を寄せる。

「あ、ああ…向こうは火山も多いし、山の方へ行けば結構温泉も湧いてるようやな。」

 ベルは少々たじろぎ気味に答えた。

「やっぱりぃ!?早くリドルランドにも簡単に行ける様になればいいのにぃ!」

「そうだよねぇ~。
もうすぐ観光でも行ける様になるっていう話だけど、いつまで経ってもそうならないしね?
向こうの温泉、早く入ってみたいよね~。」

 優子と愛は湯船に浸かりながら手を取り合い、きゃっきゃと騒いでいる。

「あ、あの…ウチらを見て、怖くないんか?」

 はしゃぐ二人に、ベルが恐る恐る聞く。

「どうして?妖精さんも犬さんも可愛いじゃない。
 それにここの仲居さんの中には、リドルから来た人も一人いるみたいだし…」

「そ、そうなんか!?」

 ベルが驚きの声を上げる。

「ええ…確かローレライの【イレーネ】さんって言ったっけ?
 歌が好きなんだけど、なかなか歌わせて貰えないとか言ってたよね?」

 愛が優子に同意を求める。

「ローレライか…そら歌わせて貰えんやろな。
 奴が歌うたら、周りが大変な事になるやろうしな。」

 腕を組み、一人で納得するベル。

「え?どうしてです?」

「もの凄い音痴とか?」

 二人がベルの顔を覗きこむ。

「音痴ちゃうって。
それどころか、リドルはおろかこっちでもあれだけ人を惹き付ける歌を歌えるのはおらんやろうな。
 ただ…」

「…ただ?」

 一層ベルに顔を近付けて答えを待つ二人。

「そない顔を寄せんでもええやろ。
 奴の澄んだ歌声はどこまでも響き、聴く者全員の心を奪うんや…そうして、船や馬車…こっちなら車や飛行機なんかも危ないな…を操縦してる人間は、ぼ~っとして谷へ落ちたり、岩礁に乗り上げたりするんや。
 きっとこっちで歌うて、何かやらかしたんちゃうか?」

「えぇ!?そうなんですか?」

 二人が驚きの声を上げる。
 ちなみに美衣は、二人の後ろに隠れたままだったが、彼女に興味を持ったのか、ラムが美衣の方へ寄って行った。

「ふみぃ~。」

 美衣は怖がり、優子の背中にしがみつく。

「こら、ラム。あまり怖がらせるなや。」

「ほら。美衣も、大丈夫だからこっち来てもっとお話を聞こうよ。」

 愛が優子との間に美衣を引っ張る。

「ふ…ふみぃ~。ちょっと怖いですぅ…」

 二人の間に入った美衣は、それからしばらく続く会話を小さくなって聞いていた。

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