空想【はみぱん】小説(o^-')b

ファンタジー(?)小説をゆっくりまったりアップして行く予定です(;^_^A

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ご訪問ありがとうございます

↓は、モールエイジさんが描いてくれたイラストです♪
title01


当「空想【はみぱん】小説(o^-‘)b」へお越し頂き、ありがとうございます(o*。_。)oペコッ

こちらでは【Humming from Pandora’s box】(略して はみぱん)というお話をメインに公開させて頂いています。

下記のリンクから各項目へ飛べるようになっております。

※本編各話の間にある★印にリンクがある場合がありますが、それはトラックバック等を利用した【番外編】で、要は作者の遊びです。よろしければ、そちらも楽しんで行って下さい<(_ _)>


   ①はみぱんワールドとご注意 : 初めてご覧の方は、まずこちらを^^
   ②はみぱん・主な登場人物
   ③タイトルの由来(工事中^^;
   ④各ストーリーへ : こちらから本編が読めます←03/31(木)【第57話】更新しました
   ⑤バトンなど…(*ノノ)キャ
   ※著者動画!?

★-☆-★-☆-★-☆-★-☆-★-☆-★-☆-★-☆-★-☆-★-☆-★-☆
お知らせ :  どんだけ久しぶりの更新でしょう…(──┬──__──┬──)

        「書けない期云々…」とよく言っていましたが、正直に言うと
        現在は「それどころではない期」な感じなのです><
        勿論【これ】で飯を食っているのなら、どんな状況だろうが
        書く必要がある…いや、『書かなければならない』ところなの
        ですが、プロでもなんでもない私の現況は『他にすべきことが
        山積してるっしょ!?」てな感じ…なんですぅ( ┰_┰)

        しかし以前から口にしていましたが、折角生まれてくれた私の
        キャラ達を…ましてや、公の場で発信してしまっている立場上
        中途半端で終わらせたくないという思いは常々持っています。

        いつになるのか、到底見当もつきませんが、彼女達の冒険は…
        どこかで終着を迎えさせてやりたいものです。



★-☆-★-☆-★-☆-★-☆-★-☆-★-☆-★-☆-★-☆-★-☆-★-☆

←飛び先にボタンがある場合もあります。どのボタンでも構いませんので、よろしければ応援願います<(_ _)>
勿論【ぽち】頂けるのもとっても嬉しいのですが、コメントも是非(過去記事でもなんでも)お願いします<(_ _)>

※皆さんから頂いた大切なコメントがあるので、当然かつてはTOPページだったものも、こちらに残してあります^^
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はみぱんTwo ~057~

「ぅざけんなぁ!?…マヂやっちまうぞぁ!」

 二人目の男が一瞬腰をかがめ、シェリーへと前蹴りを繰り出そうと、地面を蹴った右足を抱え込もうとしている…それに気付いたシェリーは、避けようとするどころか男へ向かい突進する。

「あ…ちょっとコレ持ってて!」

 今度はレジ袋を持ったままで攻撃を捌くのは難しいと判断したのか、シェリーは横にいる男に向かってふわりとレジ袋を放る…そして、第二の男が蹴りを繰り出す為に一度引いた足の付け根あたりへ両手で掌底を打ち込んだ。

(っズシン!)

 勿論シェリーの掌底は足を押し戻そうとしただけではなく、僅かに軸をぶらしていた為に男はバランスを失い、派手に尻もちをつくはめになった。

「ありがと!」

 反射的にシェリーの投げたレジ袋に反応し、つい手を伸ばしていた男…しかし眼前のレジ袋は、手に届く前にシェリーの笑顔に変わる。

「なっ!?…く、くそっ!」

 突然密着する程の至近距離に現れたシェリーに、男はどのような攻撃を繰り出してよいのか一瞬躊躇した。
 そしてボクシングのフックのように、彼女の頬目がけ腕を振り出そうとした刹那…

(ゴスッ!?)

 シェリーの【ゼロ距離からのひじ打ち】が炸裂した。

「へへっ♪燕飛は肩を引けば密着した相手にも使える…これは稽古のついでにじぃちゃんに教わったんだ…覚えるまであちこち触られたけどね!」

 その時の事を思い出したのか、その語尾が少々荒くなっていた。

「…ってぇ~~!!稽古?…こいつ水泳どころか、何か格闘技やってんぞ!?」

(カリッ!)

 それまではシェリーがいたぶられる姿を楽しもうと、キャンディーを舌で弄びながら観戦を決め込んでいた元橋の表情が険しくなり、口の中でキャンディーの一部が欠ける音がした。

「ぶふぅ…てめぇ等も格闘技やってんだろが!あぁん!?…奴に多少格闘技の経験があったっても、これだけの人数と体格差でナニ締まんねぇ事してんだぁ!?」

 そう言いながら元橋はやおら立ち上がると、首をコキコキと鳴らしながらシェリーへと近付いて行く。

「ねぇちゃんがやってるのは…合気道か…なにかしらの古武術ってトコだな。僅かに相手のバランスを崩して投げ飛ばしたり…だが、その体格で大きな岩のバランスを崩す事が出来るかなぁ?…ぶふふっ」

 元橋はシェリーの眼前に立ちはだかり、ゆっくり空手の左前屈の姿勢を取る。

「お…大き…ぃ…」

 シェリーが元橋を見上げ、思わず呟いた。

(確かに、いくらボクでも、飛んで来る大岩自体をずらす事は出来ない…一体どうしたら…!?)

「ほらほら…さっきまでの勢いはどうした!?…逃げてばかりじゃ、後がないぞ?」

 空手というより、相撲の張り手の様に何度も掌底を繰り出す元橋…シェリーは紙一重でかわしているが、やがてブロック塀が背中に当たる。

「しまった、追い詰められた!」

(ッバコン!)

 間一髪、しゃがみ込んで掌底を避けたシェリー…頭上にあるブロック塀には掌の形をした大穴があき、パラパラと破片が彼女に降り注ぐ。
 彼女はしゃがんだ勢いのまま、男の股下をスライディングする様にすり抜けようとする…が!

(ズンッ!)

「ぐっ!?…がふぅっ!!」

 気付いた元橋の巨漢がシェリーの細身の体に落ちて来た!

「すばしっこい姉ちゃんだったが、こうなっては身動き出来ねぇだろ?さて、どうすっか…まずはさっきからちらちら見え隠れしてる【小梅ちゃん】でも拝むとするか…ぶふふぅ」

「や!…やめろっ!…くっ!?全然動けない…」

 元橋の下から何とか逃れようと、ジタバタと身体を動かそうと騒ぐシェリー…しかし、まるきり胴体の上に乗っかられ、両腕も男の足で固定されており、どうする事も出来ない。

「ぎゃあぎゃあうっせぇなぁ…ほら、これでもしゃぶって大人しくしてろ!」

 元橋は下卑た笑みを浮かべながら、片手でシェリーの鼻をつまんだ。
 頑なに口を閉じていたシェリーだが、ついに息がもたなくなり、呼吸をするため小さな口を開いてしまう。

「…ぷはっ!…う?…むぐっ!?…もがっ…んぐぅ~」


←純真なシェリーに、何てコトを~!?(次回へつづく)

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はみぱんTwo ~056~

「ふぅ~…夕方になってもまだまだ暑いなぁ…じいちゃんも普段は果てしなくエロじじぃなのに、練習となると結構厳しくなるから…もう汗だくで喉もカラカラだよぉ」

 歩道からコンビニエンスストアへ向かい重そうな足取りで歩く、大きめのタンクトップ姿のシェリーがいる。

「ぎゃはは!そんなヤツはソッコーでシメちまえばいいんだよ!」

「ビビってんなら俺が行ってやんぞ!?」

 シェリーが店内に入ろうとすると、駐車用のブロックに座り込みながら騒ぎ立てている数人の若い男性達が目にとまった。

「あの高校生、いつもあそこで騒いでて…他にやることないのかなぁ…あそこだけ車も停められなくなっちゃってるし、店の人は注意しないのかな…」

 そう呟きながら店へと入って行くシェリー…彼女は数本の飲料水と、目についた洋菓子を1つ手に取ると、すぐにレジへと並ぶ。

「692円になります」

「え…と、はい。うぅ…もうお金もやばくなって来たなぁ。みんなやエリカの事も心配だし、そろそろ一度事務所へ戻った方がいいな…うん」

 そう呟きながら財布から必要なお金をかき集めて、トレイへと置くシェリー…そこで外の高校生が一層大声で笑い出したのが耳に入った。

「ねぇ…あの人たち、いつもあそこで騒いでるけど、注意しないの?」

「え!?…あ…ぃぇ…ボクはバイトですし…それに彼ら、近くの道場で空手を習っているらしくて、前に店長が注意したらボコボコにされ…あ、何でもないです!は、8円のお返しです。ありがとうございました!」

 店員は余計な事を口にして、とばっちりが来る事を恐れたのか、そそくさとシェリーにおつりを手渡すと、早く帰れと言わんばかりに頭を下げる。

「ふぅん…ま、ボクが心配する事じゃないか…」

 そう言ってレジ袋を持ち、店の外へと出るシェリー。

(…からん…)

 彼女の足元に、彼らの一人が投げ捨てた空き缶が転がって来た。

「ゴミ箱はすぐそこじゃない…まったく、こっちまで投げる方が手間じゃないか…」

 小声でそう呟いたシェリーは、身をかがめて空き缶を拾いゴミ箱へと放り込むと、踵を返し再び道場へと帰ろうとした。

「おう、ねぇちゃん!今なんか言ったか!?」

「ちゅ~か、今の行動、めちゃくちゃあてつけてね?」

「てか、そんなダボダボのタンク着てっから、屈んだ時にピンクの『小梅ちゃん』が見えちゃったよ~ん!?」

「ぎゃははは!」

 無視を決め込もうと思っていたシェリーだったが、最後のセリフには思わず一瞬胸元に視線を落とし、空いた方の手で胸を隠す様な仕草をして、彼らをキっと睨みつける。

「お~怖っ!睨まれちゃったよ。俺たちに喧嘩売るなんて、度胸があるねぇ~」

「夏休みは終わっちゃったけど、俺達と『夏の思い出作り』しちゃう?」

「ぎゃはは!バァカ、おめぇ…あの胸具合は中学生だろ…どんだけロリなんだよ!」

 大声で馬鹿騒ぎをしながらシェリーをからかう高校生達…しかし彼女はプイと振り返ると、再び歩き出す。

「おうちに帰っちゃうのぉ~?もっと胸が大きくなったら、またおいで~ぎゃははっ!」

 執拗な胸の話題に、シェリーは拳を握り思わず立ち止ったが、彼らを相手にするのもバカバカしいと再び足を出したが…その瞬間、何者かに肩をグッと掴まれた。

「待てや、姉ちゃん…さっき、レジであいつらの事を邪魔だ言ってたな…」

 はっと振り返ると、さっきまで彼女をからかっていた高校生と同じ制服を着た、背が高くかなり太った男が、飲み物や菓子類の入ったレジ袋を持ち、彼女を睨みつけていた。

「マジっすか、元橋さん」

「ああ、『あのクズ共をゴミ箱へ捨てておけ』くらいに言ってたな~ぶふふっ」

「ボクはそんなコト言ってない!」

 男の腕を振り払いながら、シェリーが食ってかかる…だが、それまでたむろして座っていた男達がゆっくりと立ちあがり、ズボンをはたきながら彼女へと近付いて来る。

「ぶふふぅ…ま、イケメンのお兄さん達に遊んでもらっとけや」

(どんっ)

 元橋は目の前に立っていたシェリーの背中を、邪魔だといった仕草で乱暴に押す。

「んん?…お前、年齢の割には良い体つきをしてるな…てめぇら、気を付けろよ?こいつ、何かしらスポーツやってっぞ?」

 そう言って元橋は、シェリーを取り囲む男達の輪から離れ、レジ袋から菓子を取り出しにやりと笑みを浮かべながら腰を下ろした。

「俺、これが大好きなんだよ…『すっぱチャプス』…ん~っ!この甘酸っぱさ、タマンね!てめぇら、これ舐め終わるまでにカタつけろよ?長引かせてマッポ呼ばれっと、照れちまうかんな?…ぶふふっ」

 白いスティックの先に付けられた球状のキャンディーを、いやらしそうな舌先でチロチロと舐めながら元橋が言い放つ。

「大丈夫ですよ、元橋さん。スポーツやってるったって、この細さじゃせいぜい陸上か水泳ってトコでしょう?パワーはありそうにみえねぇし…鳩尾へワンパンでキマリだって…そら!」

 そう言ってシェリー目がけ、追い突きを繰り出す男…やはりただのヤンキーとは違い、素早く無駄のない動きで彼女の腹へと突きが炸裂した…と思った刹那、男は宙を舞い、アスファルトの地面へと叩きつけられた。

「なっ!?」

「ただでさえ、そんなに遅いパンチを…どこに突くのか言っちゃったら、誰にでも避けられるよ…」

 軽くため息をつく様な仕草で、シェリーが呟く…その片手にはレジ袋を持ったままである。


←「今どき、こんなタイプのヤンキーっているのか?」と、思わず口に出してしまった方は…

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はみぱんTwo ~055~

「ここがS高校やな…ネイのおかげで、ジン達は【転校生】ということになっとる。まぁ、元くノ一やからその辺の情報操作はお手の物やったろうけどな?
…ただ、当然と言えば当然やが、ウチとエリカはどうにもごまかし切れんっちゅうコトで、外部からの捜索になるようや」

「嫌でキュっ!アタイも高校へ潜入して、早くお兄ちゃんを見つけるでキュぅ~!アタイが高校生に見えないって言うなら、あのおばちゃんだって絶対高校生には見えないでキュ!」

 エリカがその場に座り込み、メアリーを指差してじたばたと暴れる。

「あら…巨乳で眼鏡っ子に女子高生が加わったら、最強なんですよ?…うふ♪

 メアリーのセリフに、一同は『ドジッ子まで加わって、向かうところ敵なし』という考えが浮かんだが、それどころではない状況に、言葉を飲み込んだ。

ぎゃあぁ~~ん!エリカちゃんだって…エリカちゃんだってぇ~~!」

「こら、エリカ!こんなトコで騒ぐんやない!…転校生としては潜入でけんけど、ジン用に借りたってる寮の部屋を皆の集合場所にするから、こっそりそこで寝泊まりすりゃええねんから…な?」

 ベルが慌ててエリカをなだめる。

「ま、とにかくそれぞれの寮へ行ってみっか!えっと…手前が男子寮か?」

 まだぐずっていたエリカの頭にそっと手を置き、ジンが皆を促す。

「せやな…まずはそれぞれ、さっき教えた寮の部屋で制服に着替えて学校へ潜入開始ってこっちゃな?ジンの部屋へ定時連絡すんのを忘れんなや?
分かっとると思うが…今回、裏におるのは《ミスティ》や!みんな、ふんどしを引き締めてかかれや!?」

「おう!」

 勇ましく返事をしたジンに、ラムが目を丸くする。

「きゃうっ!?ジン、ふんどしだったの?…ラムもふんどししなきゃダメ?」

「ものの例えやっちゅうねん!」

(ッバッシィ!)

 ラムの頭部へ炸裂したベルのツッコミ…一拍おいて皆は一斉に立ち上がり、各々の部屋へと歩いて行った。

「それでは女子寮はこちらのようですので…ご主人様、くれぐれもお気を付けて下さいね?…うふ♪

 2棟並んだ建物の中央で、メアリーがジンへとすり寄る。

「お…おぅ。メアリーもな?…ラム、お前も気を付けろよ?」

「くぅん、分かった。落ちている物はやたらと食べないように気を付ける!」

 そう言って、ビシッと敬礼のポーズを取るラム。

「気を付けるトコがちゃうっちゅうねん!昨晩試した魔法もいつまで続くか分からんし、お前は色んな意味で『ギリギリ』なんやから、やたらと目立つような事はすんなや!?…ってか、拾い食いはもっての他や!」

 【昨晩試した魔法】というのは、ベルの魔法書を元に、ラムの父親から譲り受けた【雷槌】に嵌めこまれている【ダークリヴァーベレイト】を媒体にしておこなった【人化(シャーティル)】の魔法の事である。
 しかし【人化】の魔法は禁呪の類に属しており、ベルの魔法書にも詳しい記載はなく、完全な人化に至っていないばかりか…その効果もいつまで続くのか不安が残っていた。
 ただ今現在は、普段スカートからはみ出ている金色でふさふさの尻尾は見えていない…その他の外見についても、ぱっと見は全く人間そのもののようである。

「せや!ラムもそうやけど、メアリー。お前も人前でやたらと消えたりせんように、気を付けるんやぞ!?」

「はい♪…けど、普段の癖ですから…あ!万一そうしてしまったら、こう言えばいいんですよ?…『てじな~にゃ♪』」

 そう言ってどや顔で両手を開いたまま、メアリーがその姿を消して見せる。

「っあっほぉ~!誰が兄弟手品師と間違えるっちゅうねん!ほんま、こいつら大丈夫かいな…」

 疲れたようにがっくりと肩を落とすベル…そんな彼女を空中からひょいと掴んだジンが、彼女を胸ポケットに入る様に促しながら口を開く。

「まぁ、今回は『相手が相手』じゃん?俺達の正体を隠し通せるとは正直思ってないから…だから複数で行動する事で、全員が見つかってしまう前に少しでも多くの情報を仕入れられるように頑張るしかないじゃんか!?」

「せ…せやな。…お前ら、危なくなったらめっさ騒ぎたてるんやぞ?そうすれば、気付いた誰かが助けに行けるしな?」

 ジンのポケットに収まったまま、ラム達へ言葉を投げかける。

「くう~ん、了解!」

「わかりましたぁ…うふ♪」

「エリカちゃんは見つかりっこないでキュ!」

 ラムとメアリーは手を振りながら同意し、女子寮へと歩いて行った。
 エリカはいまだ納得のいかない表情をしていたが、やがて日の落ちるのを待って真っ先に兄を見つけるからと、それまでの間に身体を休める場所を探しに行ってしまった。

「よしゃ、ジン。ほなウチらも行動開始や!」

「おう!」

 ポケットからジンを見上げるベルに、力のこもった返事をすると、彼も男子寮の方へと歩みを進める…


←さて、いよいよ次回から高校潜入編へ突入するんでしょうか?
既にストックはギリギリですどばーっ (┬┬_┬┬)

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はみぱんTwo ~054~

「よし、では…用意しろ」

(ぱんぱんっ!)

 リドル王が掌を数回叩くと、縁側の向こうの襖が勢い良く開け放たれ、4つの影がドライアイスと思われる煙の中から現れる。

(ギャア~ン♪)

 突然鳴り響いた電気的な音…相変わらず家来や取り巻きの女性達は一斉に耳を塞いだ。


  ♪声高に時代は青物だとグルメリポーター 赤身で表層近くを群れで泳ぎたて…


 一瞬呆然と立ち尽くしていた増田だが、メロディーを良く聞いてみるとどこかで聞いた事のあるものに思えた。

「と…殿様!この曲って…」

 大音響で響く音楽にかき消されながらも、増田はリドル王の耳元へ顔を寄せて言葉をかける。

「はっはっは…先日招いた客人が置いて行ったくれた数枚の【こんぱくとでぃすく】なる物をヒントに、リドルでも【バンド】を組ませてみたのだが…どうだ?ちなみにこの曲は《威張る鯖》と言う」

 恐らく先日呼び寄せた高校生バンドが置いて行ったCDをパクった物と思われるが、元々あまり音楽に興味がない増田には…雑音にしか聞こえない。
 仕方なくその曲を聴いていた増田…池の周りの岩に腰をかける様にして演奏している者たちをぼんやりと眺めていると、彼らのシルエットがどうも気になった。
 やや遠めなのと、いくらなんでも多すぎるスモークで、はっきりと顔までは見えないが、どのメンバーもミュージシャンにありがちな細身な体型で…ただ、頭が異常に大きく思える。

(~ジャンッ♪)

「天晴れ天晴れ!…御苦労であった。お前達も楽器を置いて一杯やらぬか?」

 増田が気付くと、リドル王はいつの間にか枡を片手に演奏を聴いていたようだった。

「センキュウ…センキュウ…」

 歌声とは異なり、たどたどしい言葉でリドル王へと歩み寄るメンバー達。
 スモークも止まり、庭先へと降りて来たメンバーを見て、増田が声を上げる。

「うわっ!?は虫類…」

 増田の目に飛び込んできたのは、大人としてはやや小柄で異常なほど細身…対比して非常に大きな頭部に大きな目が黒光りしている灰色の肌を持った、所謂《グレイタイプの宇宙人》であった。

「はっはっは…驚く事はない。彼らは宇宙からの来訪者らしく、リドル上空で【ふらいんぐ・そぉさぁ】が故障したとのことで、修理が済むまでここで面倒を見てやっているのだ」

「いやいやいやいや…そんな、子犬を拾うかのように簡単に…」

 増田は初めてリドルランドに足を踏み入れた時と同等の衝撃に襲われ、上手く言葉が継げないでいる。
 科学者として、《リドルランド》の存在を受け入れるのにはかなりの時間を要した…しかしそこに無尽蔵の研究材料がある事に気付き、彼はその考えを変えたのだ。

「ネェチャン…エエチチシテンナ…」

「ほ~っほっほっほ!…さすがにその巨大な瞳はダテではないようね!?良い所に目を付けるわ」

 いつの間にかルシータの傍らで、彼女にちょっかいを出している宇宙人…しかし、細長い指をその胸に伸ばそうとした刹那!

「〔主電源ボタンに未確認人物の指が接近…排除します〕おやめっ!…私の主電源ボタンに触れて良いのは、オーサー・マスダのみよっ!?」

(パシッ!)

「ナ!?…エエジャナイカ…エエジャナイカ…」

 宇宙人とルシータの小競り合いが始まる…いまだに正気に戻れない増田は、茫然とそれを見ながら呟く。

ロボットと宇宙人の争い…ハッ!?これは、SF!?…スペース・ファンタジーなのか!?

 とは言え、その内容はお触りしようとする男とそれを拒む女性…下町のスナックで良く見られる光景である。

「はっはっは!お前達、そのくらいにしておけ。彼女は俺の大切な客人だ…演奏の褒美は取らせるので、もう下がって良い」

 リドル王の言う事を聞かず、ルシータの胸に欲情している宇宙人だったが、王の瞳が笑っていない事に気付いた宇宙人が他の宇宙人を止め、すごすごと下がって行った。

「すまぬな…少々不快な思いをさせてしまったか…増田とやら、口直しにお前も一杯やらぬか?もし飲めるのなら、ルシータとやらもどうだ?」

「ん…あ、あぁ。す、すみません…もう妖精達と合流しなければならないので、そろそろ失礼します」

 リドル王の問いかけに、やっと我に返った増田は、深々と頭を下げるとルシータを呼び寄せ帰り支度を始めた。


←急造バンド…やっぱりその程度か…( ┰_┰) と、思われた方は…
注:はみぱんの主成分は【駄洒落】で出来ています(T▽T)

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はみぱんTwo ~053~

「おぉおぉ!よく来たな。それがくノ一達の申していたからくりで動く者か!確かに人間と殆ど変らんが…ふむ、やはりよく見るとどこか珍妙な顔をしておる」

 時は進み翌日…舞台はリドル城の中庭である。それまで池の魚に餌をやっていたリドル王は、待ちかねていた客人の姿を見るなり駆け寄ると、しげしげと客人の顔を覗き込む。

殿!そちらはディジェネの博士で《増田雅広》様にございます」

 客人達を連れて来た家来が、慌ててリドル王へと耳打ちする。

「何?からくりはこちらではないのか?…では何故あんなに髪の毛がもじゃもじゃなのだ?」

「そ、それは私にも分かりかねますが…とにかく、からくりはこちらの娘にございます」

 家来は少々顔を赤らめ、心苦しそうな表情で増田に目を合わせることなく、ルシータへ手のひらを向ける。

「おお!そうかそうか。ほぅ…あまり見ぬ装束をまとっている以外は、どこも人間と変わらぬではないか!これをお前が造ったのだな?これはすばらしい…誰か、褒美を!」

 家来とは対極的に、細かい事は気にせず己の思った事を口にするリドル王…初めはむっとした表情だった増田も、心からの称賛を受けて少々口元が緩む。

「ほ~っほっほっほ…あんたがこの国の王ね?今後私が行動しやすいように取り計らう事ね!」

「なっ!?…無礼な!いくらからくりとは申せ、その言葉遣い、到底許されるものでは…」

 周りにいた家来達が一斉にルシータへ駆け寄り、城内の至る所からルシータへ殺気が向けられた。

申し訳ございません!彼女の言語プログラムには【上下関係】というものが上手く組み込めていないようで…」

 一変して沸き起こったただならぬ雰囲気に、慌てて増田が深々と頭を下げる。

「よいよい…気にするな。からくりが言葉を発するだけで十分驚くべき事じゃないか…影達も、気を静めよ」

 リドル王の言葉に、周囲を包んでいた殺気が少しずつ収まって行った。

「おどかしてしまったな…すまぬ。気を取り直して…おぉ、そうだ!増田とやら、魚には興味がないか?丁度今、餌をやっていたのだが…ディジェネでは見られん、面白い魚だが…良ければ詫びに数尾持ち帰るか?」

 そう言いながら、リドル王は家来の持つマスからきらきらと光る砂利の様な粒を一掴みすると池へと放った。

(シャバシャバシャッ!)

 水面へ落ちる餌を待つのももどかしそうに、10数センチ程度の魚が群れをなして水面に群がる。

「こいつは、《グァラ・マグ》と言ってな?俺の様に元々魔力の無い者にとってはただの小魚に過ぎんが、魔法使いがこの池へ落ちたら、ものの数分もかからず魔力を全て食らい尽されてしまうのだ…リドルでも非常に珍しい種類の魚だが、長年の研究の成果で養殖に成功し、今では城を囲んでいる堀にもうじゃうじゃしている」

 リドル王は少々自慢げに水面を眺めながら増田へと話しかける。

「ほぅ…非常に興味深い魚ですね。私も若い頃は毎日の様に釣り具屋にたむろしていた程、魚好き…いや、釣り好きなのでしょうか…しかし、こちらの世界にはそんな魚がいるとは…実に面白い」

 興味深げに自分の話に食らいついて来る増田に気を良くしたリドル王は、その生態や餌などについて一通り語ると、パンパンと手を叩き、家来を呼んだ。

「…で、餌は普通の餌に少量の魔力を含んだ砂を混ぜた物を使うのだ…おい、誰か!彼が帰る際にこいつをバケツ一杯持たせてくれるか?」

 家来の一人が頭を下げると、その準備の為か一度奥へと下がって行った。

「私の世界にも、《ガラ・ルファ》という角質などを食べてくれる、別名《ドクターフィッシュ》という物がいますが…こいつはむしろ《キラーフィッシュ》ですね…」

「はっはっは!確かに…魔法使いにとっては、まさに《キラーフィッシュ》だな!」

 すっかり意気投合したリドル王と増田…しばらくはグァラ・マグに餌をやりながら盛り上がっていたが、ふとリドル王が何かを思い出したように立ちあがる。

「おぉそうだ、すっかり忘れておった!…先日ディジェネ…お前達の言う日本からオンガキャーを呼び寄せたのだが、俺もあれが気に入ってな?リドルでも楽隊を組ませてみたのだが、聞いて行ってくれるか?」

 増田は少し考える様な仕草をした…彼には【オンガキャー】が何を意味するのか分からなかったが、このリドルの長の気質が気に入った事と、日本から伝わった【何か】に興味を持ち、少しだけ時間を取る事にした。

「世話になっている妖精達と落ちあわなければいけないのですが…それも興味深いので少しだけ聞かせて頂けますか?」


←はてさて…殿が集めた【急造バンド】とは…^^;

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はみぱんTwo~052~

「っメアリー!そのまま動くなよ!?」

(じゅううぅ~~)

 ジンがポットの麦茶をメアリーの背中にかけ、火の方は消す事が出来た。

「ご主人様、ありがとうございます。どうりで暑すぎると思いましたぁ…てへっ♪

 メアリーは、自ら作った拳で頭を軽く小突きながら舌をペロッと出す。

「てへっ♪っちゃうやろ!…いくら幽霊だからって、背中に矢ぁ突き立てといて気付かんってどんだけやねん!
…ってか、ウララ言うたな?お前も後から入って来んなら矢文は必要ないやろが!しかも矢文に火を放つって、どんだけオモロぃ脳みそしとんねん!?ちょっと頭蓋骨開いてウチに見してみぃ!」

 ベルがウララに向かってハリセンを振りまわすが、それが当たる寸前にまるでテレポートの様なスピードであちらこちらへ瞬間移動し続け、ハリセンがヒットする事はなかった。

「はぁ…はぁ…なんでウチの周りは、まともにツッコミを受ける度胸のないヤツばっかりなんやぁ~」

 一向に当たらぬハリセン…肩で息をしながら、ベルはとうとう泣き出してしまった。

「しかしメアリー。矢が刺さってたって事は、透明化してなかったって事だろ?背中、大丈夫なのか?」

 テーブルの上の専用ソファーで泣き崩れるベルをよそに、ジンがメアリーを気遣う。

「あ、それはですね…さっきの戦闘で背中を擦りむいた時の傷がブラの金具に擦れて痛むので、冷蔵庫で見つけたかまぼこの板を背中に挟んでたんですよ…うふっ♪

 そう言って手を背中にまわして矢を引き抜くと、更に板状のものを取り出すメアリー…板にはまだかまぼこがしっかりと乗っていた。

「ちょっちょ…それ、まだかまぼ…もうええわ。突っ込む気力もないわ…」

 目を腫らし、疲れた表情でがっくりと肩を落とすベル。
 事務所の隅をふと見ると、ぴんと立たせたしっぽでスカートをめくり上げ、今にも飛び掛かろうと言う体制でかまぼこをロックオンしているラムが目に入った。

「あら、ラムさん。もしかしてこのかまぼこ、食べま…きゃっ!?」

(っばくぅっ!)

 メアリーのセリフが終わらないうちに、かまぼこの存在は一瞬にして消え去った。

(んもぐもぐもぐ…)

「ん~…ちょっとしょっぱい」

「ラぁム!そんなモン食べんなや!…ってかお前、さっき二人分の食事をぺろりと平らげて来たばかりやないか!お前の胃袋はどこまで底なしなんや!?」

 そこへ増田がうんざりと言った表情で、メアリーから矢文を受け取る。

「全く、いつまで続くんだ?そのコントは……今必要な物は『これ』じゃないのか?」

 矢からほどかれた文書は、幸いにも水にも炎にもやられていなかった。
 そうして増田が地図を開き、テーブルへ置くと、一同は一斉にそれを覗き込む。

「S高校か…昔、私の古い友人が通っていた全寮制の高校だな。いずれにせよルシータのナヴィ・システムには地点登録をしておくので、お前達は先に向かってくれて構わん…さあ、ルシータ!レッツ・スキャン!」

 増田のセリフに反応したルシータは、突如起き上がりテーブルまで歩いて来たかと思うと、増田から地図を受け取り両手で目の前に広げる。

「Reading now...30%...60%...90%...地点登録完了。目的地点までを高速道路優先で検索しますか?」

「ちょっちょちょお!?…ウチらディジェネの交通ルールは完全に把握しとるわけちゃうけど、ルシータは高速道路を走れんのか!?」

 増田とルシータとのやりとりの間に割って入るベルだが、それを無視するかのようにルシータから機械音が鳴る。

(ぽ~ん♪)

「検索が終了しました。走行には実際の交通標識を守って走行致します」

「もうええっちゅうねん!…まだ続けとったんかい、このオンボロイドがっ!」

(ッバシィィン!)


←カーナビとしてルシータが欲しいと思った方はクリック♪
ルシータ : 「ほ~っほっほ!次の角を右へお曲がりっ!」
●●●● : 「え?どこです?」
ルシータ : 「もう通り過ぎたわよ、このグズ!」
●●●● : 「そ、そんな…言うのが直前すぎ…」
ルシータ : 「おだまりっ!」(バシッ!)
…やっぱりいりません( ┰_┰) シクシク

テーマ:自作連載ファンタジー小説 - ジャンル:小説・文学

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